約束

約束

浩一（こういち）「おはよう。颯斗（はやと）、健太（けんた）。それじゃあ、早く映画見に行こうぜ」

颯斗（はやと）「浩一（こういち）、遅ぇよ。それに何がおはようだ。10時に待ち合わせたのに、今はもう12時だぞ。遅刻するなら、早く連絡しろよ。こっちは、2時間も映画館の前で待ってたんだぞ。あと、何か俺たちに言うことがあるだろ？」

浩一（こういち）「ははは、実はめざましかけ忘れててさ」

颯斗（はやと）「違う。俺が聞きたいのは、お前が遅刻した言い訳じゃない。謝罪の言葉だ。それが人としての礼儀ってもんじゃないのか？」

健太（けんた）「颯斗（はやと）、ちょっと言い過ぎだって」

浩一（こういち）「ごめん。俺、反省の意味も込めて今日の夜、首吊って自殺するよ」

颯斗（はやと）「そうか。じゃあ、確実に死ねよ。嘘ついたりしたら、絶対に許さないから」

浩一（こういち）「うん、わかった」

健太（けんた）「おい、颯斗（はやと）。冗談でもそれはないよ。浩一（こういち）がかわいそうだろ」

颯斗（はやと）「あいつさ、いつもあんな感じなんだよ。自分の都合の悪いことが起きるたびに自殺する、自殺するって言うんだ」

健太（けんた）「でも、もし本当に自殺したらどうするんだよ」

颯斗（はやと）「まぁ、その時はその時だろ」