第4話

 二時間ほど家中を探したが、砂金を入れた小瓶はどこにも見つからなかった。


「課長。奥さんが持って行ったのでは?」

「なぜ女房が?」

「どうせ、砂金は換金するのでしょ。奥さんが気を利かして質屋にでも……」

「しかし、女房は君のお姉さんの店に行ったのだぞ」


 そうだった。


「やはり、君ではないのか?」

「ちょっと待って下さい。本当に知っているのは僕だけですか? SNSとかに呟いていませんか?」

「ん?」


 課長はしばし考え込んで大声を上げた。


「おお! そういえば、昨夜酔った勢いで、ミクシイに『砂金ゲットだぜ!』と呟いていた」


 あのなあ……


 さっそくミクシイを開くと、課長のページに足跡が一つだけ残っていた。課長のつぶやきを閲覧したのは…… 

 

津嶋つしまという人だけが閲覧していますね。どんな人です?」

「お隣さんだ」

「じゃあ、十分に犯行可能ですね」

「しかし、この人は、そんな事をするような人では……」


 僕はそんな事をするように見えるのか!? と言いたいところだが、なんかあっさりうなずかれそうなのでやめておこう。


 ん?


「課長。この人三十分前に呟いていますよ。『黄金ゲット!』って」

「まさか?」

「この人が犯人ですよ」

「しかし……犯罪行為をミクシイに呟くか?」


 う! 言われてみれば……


 とにかく、隣の家に行けば分かること……

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