第3話

 僕が課長の家に着いたのは、それから十分後。


「今朝起きた時は、確かに砂金を入れた小瓶が仏壇にあったんだ。その後一眠りして起きたときには無くなっていた」

「そうですか……」


 だったら、警察呼べばいいのに……


内田うちだ君。魔が差したのだろう。今、返せば、この事はなかったことにしておく」


 はあ? 何を言っているのだ? この人?


「俺は部下を前科者にしたくない」

「課長。まるで、僕が盗ったみたいな言い方ですが……」

「ここに砂金がある事を知っているのは君だけだろ」

「僕はやっていません。課長こそ、どっか他の場所に移して忘れているのじゃないのですか?」

「ううむ。では、探してみるか」

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