『まっちゃ売りの少女』 バトル5


 『それはそうと、あなた、よく、そんな格好で寒くないのかい。凍らないの?』


 爆弾売りの少女が、率直に尋ねました。


 『ははははは。あたしは、暑い女だ。服なんか着たら、燃えてしまう。』


 『暑い女?』


 『我々は、虚弱だ。我々は、100世紀の地球上に住む。平均最高気温摂氏70度、最低気温氷点下90度の地球上に住む。衣服など不要。このくらいの気温は天国なんだ。ま、自らが天然のエアコンのようなものだ。しかし、男たちは、はるかに虚弱だ。女たちが抱き締めて守らなければ、生きられない。しかも、数が少ない。男を確保するため、しばしば戦争になる。我々は、過去の遺物でタイムトラベルは出来るが、それだけだ。武器は貧弱で、工業力は低い。しかし、戦争には武器が必要だが、大きなものは扱えない。でも、戦争は、段々激しくなる。男が減るからだ。なぜか、男の子はあまり生まれないから。わが一族は、歴史研究の結果、この時代だけには、超小型化した核兵器があり、しかも、政府は崩壊していて管理は緩く、手に入りやすいと知った。爆弾売りの少女が、各地にいると。あなたは、そのひとりだ。爆弾を売ってほしい。料金は、この、宝石で払う。』


 彼女は、深い胸の間から、袋を取り出して、中から宝石を出して見せたのです。


 『買ってくれるなら、理屈は必要ないよ。でも、それ、本物かい? ちょっと、検査したい。価値を測らせてもらう。』


 『良いだろう。しかし、どうやって?』


 『これ。宝石類鑑定計測器〰️〰️〰️☺️、政府が役に立たないから、これで、みな価値を測る。世界標準になるんだよ。』


 爆弾売りの少女は、鞄から、小さなテスターみたいな物を取り出した。


 『あたしも、持ってます。売り子の必携品だから。』


 まっちゃ売りの少女が、同意した。


 『ここも、ややこしい時代だな。しかし、我々の時代に比べたら、かわいいもんだ。ほれ。』


 ミサルは、この夜の闇に、僅かに光る暗い街灯にも、きらきら輝く宝石をひとつ、爆弾売りの少女に渡しました。



        💎


 


 

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