『まっちゃ売りの少女』 バトル3

 そこに、突如、乱入してきたものが、ありました。


 『見つけたぞ。切り裂きチャック。御用だ。』


 あたかも、伝説のパガニーニさんみたいな、どこか人間ばなれした、やたら、眼ばかりが、ぎらぎらしている、スーツ姿に身を包んだ、長い細い人が言いました。


 それに、ずんぐりとした、双子風の、似たようなブラック・スーツの男性二人に、クレオパトラさまみたいな、なんとも印象的で場違いな、長い黒髪の、ほぼビキニ姿の女性が一人、さらに後ろに、完全武装した、20人ばかりの男女が、付いてきています。


 まっちゃ売りの少女も、爆弾売りの少女も、こうした人々は、見たことがありません。


 『おやおや、これは、半辺太警部に、楽しい仲間のみなさん。わざわざ、21世紀後半からお出ましですかな。』


 『きみを挙げるためなら、何処にでも現れるのだ。そこの、お嬢さん二人を保護しろ。切り裂きチャック。覚悟!』


 半辺太警部という人が、かの男に素早く飛びかかりました。


 『む、早いわ。』


 まっちゃ売りの少女が、つぶやきました。


 ふたりは、すでに、20人の中に、取り込まれていたのです。


 『はははははははははあ!』


 切り裂きチャックと呼ばれた男は、空中に飛び上がりました。


 『ぐき。』


 飛び上がりましたが、何かにぶつかったみたいで、首を斜めにして、地上に叩き落とされました。


 『うははは。ははひ。きさまの行動は、徹底的に分析した。ある、やんごとなき方が発明した、次元フィールドが、すでに、まわりに張り巡らされている。だんだん狭くなり、最後には、きみは、空間に貼り付けになる。びったしな。立体絵画みたいな感じだ。息の根を止めることとかも可能だがね、それは、やめよう。もう、逃げられないさ。覚悟せよ。』


 切り裂きチャックは、あのクレオパトラみたいな、かなり、危ない感じの女性が、腕輪のようななにかを、しきりにコントロールしていると見ました。


 それで、そちらに向かって、飛びかかったのですが、またまた、見えない壁に弾き返されました。


 『ばーか。まだ、分かってないかな?』


 半辺太警部が、今回は、勝った❗ と、言っているように、切り裂きチャックには見えたのです。


 


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