『まっちゃ売りの少女』 バトル 2
『きみたち、いつから、この街にいるの。』
紳士風の男のひとが尋ねました。
『あたしは、夕べから。』
まっちゃ売りの少女が答えました。
『あたいは、今、来たばかりですよ。』
『ふうん。じゃ、あまりこの街のことは、知らないかな。』
まっちゃ売りの少女が、不審げに言いました。
『それは、なにも知りません。まっちゃが売れれば良くて、うれなきゃ、それで、どっちにしても、次の街に行きます。』
男が言います。
『ああ、そうか。なるほどね。』
今度は、爆弾売りの少女が言います。
『ちょっと、おじさん、なんか引っ掛かる言い方だなあ。なにかあるのかい? この街に。』
『聞きたいかい?』
『ああ。いや、いい。情報はただでは入らない。高くつくもんだ。それに、余計な心配をするのはいやだ。』
爆弾売りの少女です。
『いやあ。それは、同感ですわね。まっちゃの心配だけでいいわ。』
すると、おじさんが追加で尋ねます。
『いったい、どこで仕入れるの。この、世界が壊滅状態である時。確かに、まっちゃも、超小型核爆弾も、いまや貴重品だ。正規ルートでは、極めて手に入りにくい。』
ふたりは、お互いを見あいました。
『それは、秘密です。』
『そうです、秘密です。』
『ふうん。まあ。そうだろうけど、怪しい商品は買いたくないだろう。体に良くないなら、買うのはいやだよね。それにさ、どっちも、遠い遥かな日本製だというが、ぼくの知るところ、日本は戦争と、さらに阿蘇山の巨大カルデラ噴火で、ほぼ活動停止になってると聞いた。西日本は火砕流で壊滅し、東日本は戦略核で壊滅し、さらに全土が火山灰に覆われてしまい、作物の栽培もできないとか。多くの住民は難民になったが、回りが海で、逃げられなかった人が多いとか。かといって、占領する元気のある国もないし。』
『でも、これ見てください。ね、そこが、日本のすごいとこなんです。』
抹茶売りの少女は、大切な商売物をバッグから出して、男に見せました。
🍵 🍘
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