応援コメント

第9話 怪物 《sideミシェル》」への応援コメント

  • 初めまして。
    この度は『自作品への意見や提案がほしい方へ』企画にご参加いただき、ありがとうございました。主催者の島流しにされた男爵イモです。

    第一章に相当する範囲まで拝読致しました。
    群像劇形式の作品ということで、様々な人物の背景や視点から物語を楽しむことができました。そのデメリットの方は後述しますが、概ね物語は安定した滑り出しをみせていた印象です。伏線も細かく散りばめられており、なかにはミスリードもあったのではと思い返しています。連続猟奇殺人事件の犯人は誰なのか。かつてのマリーの血縁者か。ミシェルの被害妄想はどこまでが本当なのか、あるいは夢遊病や解離性同一症を患っているのか。などなど、序盤から考察をして想像を膨らませることができました。

    気になった点としては、大まかに二つ。
    一つは作品のテンポです。前述した群像劇のデメリットになりますが、多くの人物の視点で話が進むので、作品としての進行速度は著しく低下します。この回以降、どのように話が展開されるのかわかりませんが、主観を抜きに考えると、本作は文字数に対して人物の動きがかなり少ないです。なおかつ展開が予想しやすい(順当で丁寧)ので、序盤で意外性が生まれにくいといったように見受けられます。改善案としては情報開示の他、登場人物のクセを前面に出すことを意識してみてください。簡単な話、人物造形の面白さで読者を釣るのです。たとえばミシェルはパラノイア風の病的な人物に描き、ダイスは鬱屈した人間であることを素行や言動でアピールします。もっと口を悪くしたり、利己的に振る舞わせたりと。そうすれば物語以外にも魅力が生まれ、求心力につながるのではないかと思いました。

    もう一つは文章表現について。
    回を重ねるごとに自然になっていきますが、それでも助詞の使い方や文章内での主述の乱れが違和感につながっています。公募にも応募されているようなので、この部分は重点的に推敲された方がよろしいかと。特に序盤の文章表現は粋な表現をしようとするあまり、文章が冗長になっているイメージです。修飾や比喩は欲張らず、局所的に使っていくことを念頭に置くとよいでしょう。小さな違和感でも積もれば、容易に物語の魅力を埋もれさせるので、表現の細部にも注意を払うことを推奨します。

    最後に目についた範囲で誤字脱字報告、文章の提案などを。
    プロローグ:「切り裂く」の連発→表現を一工夫した方がよさげです。
    末文「ライトが切り裂く夜闇の照らす方角へと消え去って行った。」
    →「ライトの照らす先を追って夜闇の中に溶け込んでいった。」(代替案)

    第1話より:「ミシェルはその様子を腹ただしく」→「腹立たしく」
         :「ミシェルは度々この話しの結末が」→話「し」は不要。
         :「古い傷跡の残る首のうなじをさする。」→「首の」の補足は不要。
         →「普段は長髪の下に隠している、うなじの傷痕をさする。」(代替案)

    第2話より:「そこを大きく取り囲むように、今ミシェルが走っている舗装路が取り囲んでいる。」→二重表現。
         →「そこを大きく取り囲むようにして、今ミシェルが走っている舗装路が円形状に敷かれている。」→(代替案)
         :「話しは現在の連続殺人鬼の話題へと移っていく。」→話「し」は不要。
    ※これは作中で頻出します。名詞と動詞による送り仮名の違いに注意してください。

    第3話より:「住宅街から離れた古びた農家に」→文脈的に「納屋」が適切。
         :「聞き慣れない言葉を読み上げ終えるて、」→「読み終えて」or「読み終えると」
         :「ソファーの上に尻を放り出して、」→尻より「身を投げ出す」や「背を預ける」の方が適切かと。原文では、下だけなにも履いていないかのように誤読されかねません。

    第4話より:「椅子に座った姿勢でカビ臭い書類の中、」→文章が不自然。
         →「椅子に座って、書類で顔を覆ったまま眠っていたダイスは~」(代替案)

    以上になります。
    作者様の創作活動の一助となれば幸いです。

    作者からの返信

    初めまして!よろしくお願い致しますです。

    まずはたくさんのご指摘、それに9話も読んでくださって本当にありがとうございます。

    これから文章表現や誤字脱字などを改善させていただきます。

    ご丁寧に、真剣に読んでくださったのが本当に心に染みました。これからも作品に紳士に向き合う努力をしていく所存でございます。

    今回は本当にありがとうございました。m(_ _)m