第35話 爆ぜろ
「その代わり、お前ちゃんと責任取れよ?」
「あ、俺のイチゴミルク……………」
手に持っているイチゴミルクを取り上げると、飲みながら言う。
「って、なんの責任だよ」
「もちろん椎名のことだよ」
「責任って、管理者責任みたいな?」
「そう。今日は俺に触れさせるな」
「普段はお前が管理者だから今日くらいは頑張ってやるよ」
「俺がいつあいつの管理者になった」
「高校入学の時から既にそうだっただろ」
「なってねー」
「ならもう恋人?」
「にもなってねー。そんな地獄はありえねー」
俺と椎名が付き合う……………全くもって想像が出来ない。
頭で想像しようとすると頭痛がするし、反吐が出そうになる。
「お前はお気楽でいいよな、何も縛りがなくて」
「俺だって縛りくらいあるぞ?」
「なんだよ。俺を超える縛りがあるのか?」
少しケンカ腰になる俺。
椎名のせいでストレスがすごい。
この苦しみを分からない奴から、「俺の方が縛りすごいよ」とか言われるのが一番血管が切れそうになる。
「そりゃあるさ。俺だって彼女いるし」
「お前の彼女が縛り?」
「だってそうだろ?彼女優先してお前たちと遊ぶ時間少ないし、自分の時間だってあんま取れない。まぁ幸せだからいいけど」
「……………コロス」
「――え?なんだって?」
「お前ぶっ殺してやる!」
と、俺は葉月の後ろに回り込み、首を締め上げる。
舐めた事言ってんじゃねーぞこいつ!俺がどんな気持ちで椎名の相手してると思ってるんだ?
「俺と立場逆だったらお前今頃首吊ってるぞ?」
「いや、まぁあそこまではいかないけど、こっちにも色々あるんですわ」
「黙れ。お前のは縛りでもなんでもない」
「ただのリア充ってか」
「そうだ爆せろ」
「でも爆ぜたら椎名を円滑に対処できなくなるぜ」
「……………佐那が色々してくれてるもんな」
「そゆこと。俺が頼んでるのもあるし、流石に佐那も椎名の事やりすぎだと思ってるからな」
「あれは誰でもやりすぎだと思うだろ」
「まぁな」
椎名がもし彼女という設定だとして、あれくらい愛されてた方がちょうどいいとか、メンヘラがいいとか言ってる男は今すぐその思考を改めた方がいい。
一週間くらいは、チヤホヤされる生活に満足すると思うがそれ以降は地獄。
それに依存されたら絶対に逃げられない。俺みたく。
まぁ俺は、加えて幼馴染という鎖付きだが。
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