第22話 そうゆうものなの!

「モデル!?」


「そう!ファッションモデルしてるからね。お金は全部それの出演料!あとたまに取材とかもくるからそれもあるけどね」


「全く知らなかった……………そうゆう肝心な部分はなんで教えてくれないんだよ」


「え?だって作くんママから聞いてるかと思って」


「俺の親は知ってると」


「うん!だって送迎とかしてくれるからさ!」


「あのクソババア」


 なんで余計な事には口を出すのに必要な事を伝えて来ないんだ。

 帰ったら詰めよう。


 にしても、こいつがモデルね……………

 確かに、容姿に関しては誰もが認める美少女なのは否定はしない。


 問題は性格…………俺だけへの異常な執着だけだからな。

 異常な愛………普通に言うとヤバい性格というのはファッションモデルという写真に写るだけの仕事なので暴かれる心配がない。


 だから、こいつはこの仕事が出来ているのだろう。

 これがもし芸能人だったとしたら、すぐに化けの皮が剝がれて炎上しておしまいだ。


 これでお金がどこから来るのかは分かった。いかがわしい行為はしていなく、ファッションモデルとして稼いでいたという新しい情報まで入って来た。

 となると次は、


「話を変える。なんで自分で取らないんだ。俺に取らせる理由でもあるのか?」


 これだ。一番の謎。

 いちいち俺に取らせる必要でもあるのだろうか。

 しかも、取らせたいくせに椎名は無意識かもしれないが邪魔してくるのは矛盾してる。


「作くん分からない?その理由」


「さっぱり分からないな」


「も~っ、女心が分かってないんだからなぁ~」


「分からない、早く教えろ」


 淡々と言う俺に、


「彼氏にぬいぐるみを取ってもらうって理想じゃない?女の子なら誰しも」


 子犬のようなうつろな目をする。


「あ?」


 その理由に、俺は自然とドスの聞いた声が出る。


「「あ?」じゃないよ~作くん。女の子はね?一度は「これ、あげるよ」って彼氏に取って貰ったぬいぐるみを貰いたいものなの!それはゲームセンターでの定番なの!」


「大前提として俺は彼氏でもなんでもないし、取らせて置いてこれあげるよとはならなんだろ」


「なるの!雰囲気だけでも女の子は楽しみたいものなのそうゆうものなの!」


 地団駄を踏みながら主張する椎名。

 何がいいのか全く分からん。これは本当に女子全員が思っているこのなのだろうか。俺にはただ椎名が勝手に言ってるようにしか思えないんだが。

 脳みそが不思議のアリスなのかもしれない。白昼夢とはまさにこのこと。


「はいはい、そうですか」


 これは下手にツッコむと面倒な事になりそうだし適当に流して早くぬいぐるみでも取って事を収めよう。

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