第8話 自慰行為するな

「ほら、早く食べて学校行く支度しないさい。それに雪穂ちゃんも待ってるでしょ?」


「あいつは勝手にいるだけだ。待ってもらってるわけじゃないだろ」


「はいはい思春期さんは恥ずかしいよね~。もう、早く行ってらっしゃい」


「チっ……………ダル」


 これは思春期だから親がウザイわけではない。

 成人しても余計な事に首を突っ込んでくる親がウザい事に変わりはないだろう。

 ハァとため息を吐き、俺はリビングから出ると階段を上り椎名のいる自室に向かう。

 部屋が近づくにつれ、部屋の中から声が聞こえる。


「んっ//……………ひゃっ//」


 ただの独り言ではなく、それは甘い喘ぎ声だった。

 ベッドで寝てるより酷い事になってるぞこれ。


 絶対俺の部屋でオナニーしてるぞ椎名のやつ。

 いや待てよ?決めつけるのは良くない。もしかしたらマッサージしてるだけかもしれない。


 あまりに気持ちよくて声が漏れてるだけかもしれない。

 この目で見なければ分からない事だ。


 俺は音を立てないように最後まで階段を上り、そーっと部屋の扉を開ける。

 するとそこには、


「私の作くん、最高…………好き……………」


 ベッドの上で、俺のパンツを嗅ぎながら、股に手を伸ばす椎名の姿があった。


「―――――ぁ――――――っ―――!!!!」


 俺は声が出ないように絶叫する。


 こいつマジで頭がおかしい。いやそれは前から知ってるんだけど。

 てか俺のパンツどっから出した。


 今すぐ逃げたい半面、椎名から目が離せないし、イラつくが俺の息子は大興奮している。

 体と心が葛藤している。


 しかしどうしよう。

 部屋には制服とバッグがあるから中に入らなきゃ学校に行けないし、かといって椎名を待つのは、


「あれ~っ//…………作くんまだ来ないのかなぁ~?//、私がシテるとこ見せてあげたいのに―――ひゃうっ/」


 多分無駄だ。俺が部屋に入るまでやめないだろう。

 これは詰みだ。


 もし、俺が見なかった事にして中へ入ると「やっと来たね//見て?………こんなになってるよ?」


 トロンとした目で股を開き、クパァとアソコを見せてくるに違いない。

 そんな事されても俺は自分を殴って理性を保つが。

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