第一章  日常

第1話 朝


 朝日が昇り、小鳥のさえずりが聞こえ始めるころ。

 目を覚ます。

 窓からさす朝日をまぶしく思いながら俺は時計を見た。

 時計の針は6時指し示していた。


「ん、んん~。 よし、起きるか」


 俺はベッドから体を起こし、軽く伸びをした。

 早朝で起きる時間ということを確認して俺こと赤坂総司は目を覚ました。

 俺は、朝は比較的強い方だと思っている。

 それは昔にやっていた野球の朝練の時の癖がまだ染みついているからだ。

 そして寝間着から俺が通っている高校のブレザーの制服を身につけ、一階に降りた。






 

 早起きして俺が何をするかというと、朝食と弁当を作るのが毎朝の日課だ。

 突然だが、現在俺の家には俺と妹の深雪の二人で住んでいる状態だ。

 両親はどうしたのかというと海外出張中だ。

 場所はイギリスだ。

 そしてほとんど我が家には帰ってこないのだ。

 普通は父さんが海外出張で海外に行くとしても母さんは子供のために日本に残るというのが一般的だと俺は思う。

 だが俺の母さんは


「私は良一さんについていくわ! あの人を一人にするのは心配だもの。 だから総司! この家のことは任したわよ!」


 という感じで俺と妹の二人暮らし状態……いや二人暮らしといっても過言ではない……はずだ。

 そんなこんなで俺は毎朝早起きして弁当を作っているのだ。

 本当は出張でこの家に残るのが俺だけだったら別に購買とかでもいいのだが深雪にはできる限りのことはしたい。

 俺は深雪に救われたあの時からそう決めたのだ。

 っとと、話がそれました。

 そんなこんなで俺は毎朝弁当を作っているのだった。


 ジュウウ。

 

 油の中を泳ぐメンチカツがこんがりと黄金色に染まっていく。

 そしてそれと同時に横でたまご焼きを卵焼き専用のフライパンで下にたまごを敷いていくかのように作っていく。

 そしてこれが案外難しい。

 俺はもう慣れたが卵焼きを作るとき薄く引いた卵を何回も折り曲げながら作っていくこの作業がなかなか難しい。

 そして弁当を作ると同時に朝食も作る。

 オーブントースターの中に食パンを入れトーストにする。

 そしてその間に作り終えた卵焼き専用のフライパンでハムエッグを焼く。

 そして作った料理を弁当箱の中に盛り付けていけば弁当は完成だ。

 ハムエッグがいい感じになってきたとき部屋に人が入ってくる音が聞こえた。

 

 「おはようございます、兄さん」

 

 処女雪のように白い肌に、点にきらめく天の川のように美しい黒髪にふさわしい端正な顔立ちをしており、大和撫子とはこのことを指すのだろう。

 そして俺は眠そうな声で声をかけられた。

 

 「おはよう、深雪」


 眠そうに瞳をこすりながら俺に声をかけてきたのは俺と一つ違いの妹の赤坂深雪だ。

 

 「朝ごはんもうすぐ出来るから先に顔洗っておいで」


 俺が深雪にそう言うと「わかりました」と言って洗面所に向かった。






あとがき


どうも、作者のブータン国王です。

一章は主人公たちの性格や雰囲気をつかんでもらうためにという点に重きを置いています。

ですので先に言っておきます。

一章に関してはそこまで物語が進むことはありません。

兄妹の抱いてはいけない感情、苦しみ、葛藤などをすぐに読みたい! という方はすいません!

ですが!

これからもこの作品を読んでくれるというそこのあなた!

あなたは僕から言わせてみれば天使のような方です。

ですからどうかこれからも楽しんで読んでくれたらなと思います。 




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