派兵


昭和22年 11月


中華民国からの派兵要請に関して帝国国民議会では、世論からも様々な声が出た中、正に喧々諤々の議論が続き、最終的な採決では僅差で賛成派が上回りなんとか可決。国内としても、もし中国が赤化すれば、大陸にある日本権益がどうなるかとの不安もあり、派兵に否定的な声は少なく、同じように自国権益の保持を図る英仏など列国もこの日本の動きに表立って文句はつけてこなかった。帝国政府としては、蒋介石支援を打ち切ってから毛沢東を支援するわけでもなく、不気味な程に大人しくしているソ連の動向を気にしていたが、今回も何か声明を出すとかいった事もなく、静観する姿勢にまた不気味さを感じていた。



12月初頭


援華義勇軍第一陣5000人の将兵を乗せた船団が大連港に無事到着。また国民党軍支援のために、日本軍内部で自主軍縮により余剰となっていた(というか破棄予定だった)武器弾薬も一緒に輸出され、泥沼の様相で長引いた中国国共内戦もこれでようやく"平定"の時を迎えられそうな兆しが見え始めた。



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