第9話

翌日

2人を連れて、紗綾のお母さんは区役所に

行った。

相談窓口へ行き、事情を全て説明して

くれた。

区役所の人が、

今から家に来て加賀君の

お母さんの直筆の署名が要るので

加賀君の家に向かった。

初めてはいる加賀君の家。

狭い所に、加賀君のお母さんは寝ていた。

やっと署名が出来たが、しんどそう

だった。

後は紗綾のお母さんが、全部してくれた。

紗綾と加賀君は居るだけだった。


[おばさん、全部して貰って本当に

ありがとうございます!]


[いいのよ!あんまりにも紗綾が

必死だから、でも良かったね!

何とか、なりそうだね!お母さんが

早く良くなると良いね!あっ!

今日、買い物に行かなくて良いからね

後で紗綾に、おかずを持たせるから、

ここなら、近いから、じゃ、紗綾

1度、帰ろうか!]


[うん、じゃあ又、後でね!]

ニッコリ。


[うん、北村紗綾ちゃん!]

ニッコリ。

車の中で紗綾は


[お母さん、本当にありがとう!

お母さんは、あの2人の命の恩人だよ!]


[大袈裟ね~でも良かったね!]


[うん!]

満面の笑顔の紗綾を見て、嬉しい

紗綾のお母さんだった。


[さぁ、紗綾これを持って行って

あげなさい。]


[うん、行って来ます。]

コンコン!


[紗綾です。]


[お~さっきは、ありがとう!]


[い~え、私じゃ無いよ、お母さん

だよ!はい、これ、おかず。]


[何か悪いな?]


[いいよ、お母さん、何時も沢山

作り過ぎて困ってるから。]


[ありがとう、北村紗綾ちゃん!]

ニッコリ。


[じゃあ又、明日、学校でね!]

ニッコリ。

家に帰って紗綾は、お母さんに

加賀君のお礼を伝えた。

(お母さん、ありがとう。)

翌日

加賀は担任の森本先生の所に行った。


[先生、僕、高校行く事に、しました。]


[お~そうか、良かった、今なら間に

合うから、本当に良かった!]


[すみません、ご迷惑をお掛けして!]


[いや、いや]

もう中学生活も、残りわずかだった。

又、やちゅーが言い出す。


[8人で、どっか行こう!]


[だから!どうして純香と2人で

行かないの?]

紗綾は言う。


[いや~8人で遊べるのも、後少し

かな~って思うとさ~。]


[そうだね?じゃあ、何処に行く?]


[又、鬼ごっこを、するか?]


[もう、いい!あれは、ごめんだわ!]


[ハハハハ、じゃあ何処に行く?]


[だいたい、行ったもんね?じゃあ

高校で使う、文具を買いに行こうよ!]


[出た~文房具女子!]


[何、それ?]


[紗綾、知らないの?今、流行って

るんだよ?]

と満里奈、ゆりな、純香。


[知らない!]


[お前達、紗綾は元は男だったから

知らないんだよ!]

と、やちゅー


[あんたね~何年、言えば気が済む

のよ!]

と、言い合ってる2人を放って6人で

相談して決まった。


[紗綾、やちゅー日曜日の10時に

あそこのグラウンドに集合だからな!]

愛甲が言うと締まる。


[はい。]


[お~。]

と言って分かれた。


[ちょうど良かったね!高校に行ったら

要るもんね!]


[うん、そうだよね!]

と盛り上がる女子達。

それとは対照的に


[文房具?俺達はノート1冊有ったら

3年間、いけるよな?]


[本当だよな!]

それは、それで問題だった。

その間も、紗綾は加賀君の所に

おかずを持って行っていた。


[ねぇ、加賀君、その北村紗綾ちゃん

長いでしょう?紗綾ちゃんで良いよ!]


[いや、みんなと同じ呼び方は、

ちょっと……]


[どうしたの?嫌なの?]


[うん!]


[そっかぁ、じゃあ北村紗綾ちゃんで

良いよ!フフフ。]

と笑う紗綾、嬉しかったのだ。


[じゃあ帰るね、加賀君!あっ!そうだ

日曜日に何時の8人で文具を買いに行く

んだけど加賀君も行く?]


[いや、邪魔しちゃ悪いから!]


[いいよ、気を遣わなくても!]


[いや、行くとしたら北村紗綾ちゃんと

2人で行くから、その日は、いいよ!]


[そう?分かった、じゃあね!]

ニッコリ。


[じゃあ!]

ニッコリ。


8人、待ち合わせのグラウンド。

乗り気の女子4人、反して全然

乗り気の無い男子4人。

女子が


[行くぞ!]

男子が


[ぉ~]

声すら出ない。

でも、いざ文房具店に着くと品揃えが

豊富で、ハシャグ男子。


[多分、あいつ達、使い方分かって

無いね!]

と、紗綾。


[うん、絶対だね!]

と、3人も言う。

そして、みんな、それぞれの買い物を

する。

(あっ、このペンケース、色違いで

キレイ、加賀君と、色違いで持とう

買おっと!)


[あれ?紗綾、ペンケースが、何で

2個も、それも色違いで!]

と、ゆりなが言ってると満里奈と純香が

やって来た。


[本当だ、怪しいな~]


[うん、怪しい~]

紗綾は慌てて


[し~っ。]

と口を押さえたが、男子4人は、もう

そこに居た。


[お前、それ誰のだよ!]

と竜が言って来る。


[よし!次、ご飯行って、紗綾の

取り調べだ!]

と、やちゅー。


[そうだ、そうだ。]

妙に団結力の有るメンバーだった。

お店に入り注文を済ませると

やちゅーが


[はい、北村紗綾、今から取り調べを

行います、黙秘権は認めません!]


[やちゅー、黙秘権て言葉を知って

るんだ!取り調べより、そっちが

ビックリしたよ!]


[さーや、お前、取り調べ中なの

分かってる?]


[はい。]


[あのペンケースは、誰の物ですか?

言わないと拷問に、かけます!]


[拷問?]


[はい、明日クラス全員に、発表します

さぁ、どちらを選びますか?]

(あ~っ)


[あれは…]


[はい、あれは?]


[あれは、加賀誠君のです!]


[2人は、どういう関係ですか?]


[幼稚園の時の幼なじみです。]


[え~っ!]

と全員が言った。


[だって、そんな素振り全然、見せない

じゃん?]


[そうだよ!]


[だって気が付いたの、最近だし

幼稚園の時の事だから、言わなくても

良いかな?って思って。]


[この8人に、隠し事は無しだよ!]


[ごめん、本当にごめん!]


[それで、何で買ったの?]


[実は一緒に、行こうって誘ったん

だけど邪魔しちゃ悪いからって言われ

たから、お土産にと思って。]


[思って?本当は好きだね?]


[え?]


[それは、紗綾が自分で、気が付いて

無いだけだよ!]


[でも加賀君と、学校で話をすると

あの取り巻きの女子達が、又うるさい

から!]


[気にすんな!どんどん、喋れ!

俺達が、ガードしてやるから!]


[そうそう、7人で、円陣組むから

その中で、喋れば良いじゃん!]


[あの~多分、会話が丸聞こえかと…]


[聞こえちゃ、いけない話をするの?]


[いや、そうじゃなくて!じゃあ

お願いします。]

7人が一緒に


[ラジャー。]



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る