第10話

翌日

休憩時間に、なると7人が紗綾と加賀を

囲んで円陣を組む。

そして、移動する時も、その状態で

移動をする。

加賀君が


[北村紗綾ちゃん、これは何?]


[いや、何か取り巻きの女子達から

私と加賀君を、守ってくれるんだって。]


[良い友達だな!みんな、ありがとう!]

みんな円陣を組ながら、顔を見合わせた。

加賀君の口から、ありがとう、奇跡だ

そう思いながら、みんなで


[いいよ~]

の返事。

その姿を見ていた担任の森本先生が


[お前達、何を、やってる?]


[先生、大人には分からない、子供の

事情って、もんが有るんですよ!

休憩中だけ、ですから放っといて

下さい。]

と、やちゅーが言うと、本当に放って

行った森本だった。

放課後

まだ円陣の中の紗綾と加賀君


[あっ、加賀君これ!]


[何?]


[昨日の、お土産だよ!]


[開けていい?]


[いいよ!]


[あっ、ペンケースだ!]

すると紗綾が言う前に、全員が


[それ、さーやと色違いの、お揃い

だからな!]

と全部、バラシテしまうのだ。

照れて、真っ赤になる、紗綾と加賀君

だった。

もう毎日の、円陣生活にも、慣れて

加賀君も男子と話を、する様になって

いた。

それを見ると、嬉しい紗綾だった。


[もう、そろそろだね、卒業式。]

と、ゆりなが言うと


[わ~言わないで、泣きそうに、なる。]

と満里奈と純香。


[楽しかったねぇ、本当に学校!

やちゅー達の、お陰も有るね?]

と、紗綾。


[本当だね!]

と満里奈、ゆりな、純香。


卒業式

やっぱり、みんな泣いて、しまった。

でも式が、終わった後が大変だった。

好きな人の第2ボタンを、争奪戦だった。

3年の女子だけでは無く、1、2年の

女子も入って来るので、必死だった。

(加賀君は、どこ?)

と捜す紗綾。

(あっ、居た!ありゃ~ボタンが

全部、無いや、どれだけ人気有るのよ!)

満里奈と純香は、やちゅーと、けーん

から、ちゃんとボタンをゲットして

満足そうだった。


[ゆりな、ゆりな欲しい人は

居ないの?]

紗綾が聞く。


[う~ん、実は…]


[誰?]


[森本先生!]

ズコッ!

3人は、コケた。


[嘘だ~。]


[本当!]


[じゃあ、森本先生の所に、行こう!]

走る4人。


[森本先生!]


[おっ、なんだ?]


[先生のボタンをください!]


[お前達、相手を、間違えてるだろう?

それに、先生は、スーツだぞ!]


[いいんです!ゆりなが先生のボタンを

欲しがってるんです!]


先生は机から、ハサミを取り出して

スーツのボタンを切って、ゆりなの

手に渡した。


[はい、野村ゆりな、どうぞ。]


[ありがとうございます!]


[先生、記念に、ゆりなと写真を

撮ってあげる!]


[照れ臭いな~]


[いいから、並んで!]


[行くよ!はい、チーズ。]


[先生、ありがとうございます!]


[お前達、高校行っても変わるなよ!

頑張れ!]


[は~い!]


[みんな、ありがとう!]


[ゆりな、良かったね!もっと早く

言えば良かったのに~]


[本当!]


[で、紗綾は加賀君の、貰った?]


[ううん、見付けた時には、全部

ボタン無かった!]


[加賀君、超イケメンだから、やっぱり

モテるよね!]


[う~ん。]

そして8人と加賀君とで、帰ろうとした時

加賀君が紗綾に


[手を出して!]

と言うので、手を出すと


[ハイ。]

とボタンを渡す。


[これ?]


[第2ボタン、真っ先に北村紗綾ちゃんに

取って置いた!]

ニッコリ。


[ありがとう!]

ニッコリ。


[やったね、紗綾。]

と喜んで、くれる満里奈、ゆりな、純香。


[ヒューカッコいいぜ!加賀!]

と、男子達。

みんなで学校に、一礼して後にした。

本当に、楽しい3年間だった。



〔これから、高校生活を迎える2人

中々、スムーズには行きませんが

頑張る2人、なので最後迄お付き合い

頂ければ嬉しいです。〕

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