7月12日 クラスマッチ 午後

 午後は決勝トーナメントなのだが、自分のチームは予選敗退つまりやることがないのだ。教室が空いてればいいのだがおそらく鍵がかけてある。周りの女性の黄色い声や金切り声が耳障りだ。だが自分も男なのだ羨ましいと思ったりはしなくもなくはない。こういうのをツンデレというのだろうか。


 さてさっきも言ったが耳障りだと思い歩いて日陰まで来たのである。だがこちら側からも話し声が聞こる。そこそこ大きな声であの子が美人だの彼女欲しいだの男の欲望を言い合っている様子であった。その声の大きさに驚きながらも自分は思わず周りを見て面白い気分になった。その話が聞こえたのか数人の女性の異様なものを見る目つきを見てこれが陽と陰の反応の違いかと笑ってしまった。


 自分は最近周りの考えていることがわからない。彼女欲しいと思う欲望はわかるのだが、なぜわざわざそれを声に出しすのか、ましてや下ネタなんてもってのほかである。さらに彼女できる可能性が減るのではと思いきや、なぜかできるのだ。良かったと祝福する間もなく別れるのだが。


 一体コイツラは何がしたいのだ。この前の7月7日の七夕の短冊には彼女や彼氏欲しいですと書かれたものがほとんどあった。これは願って作りに行くものではないものだと思うのだ。彦星と織姫の恋愛がうまくいっていないのに他人の恋愛が叶うはずがないであろう。


 なぜ他の異性と親密な関係なぜなるのだろう。今の自分らは恋愛とどのような関わりがあるのだろう。


 まず恋人ができたら何を望むだろうか。感覚の共有だろうか、それともドラマティックな関係だろうか。もしくはただの自己満足また優越感に浸りたいだけなのかもしれない。今の恋愛はどうしてもその人自身を好きになったのではなく、「この人は〇〇」そう”だから”という理由で付き合っている気がするのである。まるでドラマティックな「演出」で物語の一人のような気分になったり、「似た者同士」が集まる水槽の中だけで楽しんでいる気がするのだ。まあ長く続かないのも当たり前だろう。

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