第34話 たすけて

 自分でも何処にこれだけの涙が、身体に蓄えられていたのかと疑問を覚えるほどの涙を流し、ようやく落ち着いた頃。


「実は…」


 父に今までの事を話した。父と別れてからのことを全て。


「そうか…苦労したんだな。でもカードのことなら、ビャクが考えているより、酷い状況じゃないぞ」

「?」

「ビャクは腕輪をしていなかっただろう?」


 父の話によれば、カードに封じられた魔法を展開する時にカードの力を制御する腕輪を装備しなければ、展開した魔法が無効となってカードに再封印されるらしい。


 現代のカードならば映像の特殊効果のように無害で、古いカードほどカードの機能が不完全で多少の被害が出るそうだ。


「だからマジックリングと呼ばれるんだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Dreihundert 灰猫 @seadz26

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ