第30話 内と外
手が震える。
俺が使用した
少し空堀を崩して外への抜け道を拓ければと使用したのに、空堀どころか都市を分断する大きな亀裂。
「……」
「スゴイ…!」
エリーゼは無邪気な笑顔でカードの威力を称えるが、被害を想像しただけで体の震えが止まらない。
どれ程の被害者が出たのだろう。出てしまった被害に何の責任も果たせないというのに。
「に、逃げよう!」
「?」
「今なら外への出入りは自由だっ」
俺は咄嗟に叫んでいた。しでかしてしまった事態から逃げ出して、楽になりたかったのだ。
「ダメ…行くのは中」
「都市内!?」
エリーゼが指を指し示したのは、崩れ落ちた都市の外壁だった。
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