第26話 逃走中
エリーゼは、迂闊な行動を後悔していた。
王族のエリーゼが身に着ける衣服は、当然の様に最高級品であり、スラムの住人が目の色を変えて追ってくる。
「お前が人に悪意を向けなかったとしても、お前に悪意が向かない訳じゃない」
そう言って昔話を始める彼は、落ち着かない様子で目を泳がせていたが私を気遣ってくれたのだと思う。
ビャクレンの話を纏めると、貧民街の孤児を憐れんで手持ちの食料を譲り渡したら、金を持っている旅人として盗賊に情報が回っていたと言う話だ。
エリーゼには彼がする話の全てを理解はできなかったが、大好きな侍女の言葉を思い出した。
「そうだね…」
こんなところで捕まっていられない。早くアイネに会いたいんだから。
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