第20話 エリーゼ
エリーゼ・ファスト・クアトロ―クが目を覚ました時、彼女は自分がどこにいるのか理解できなかった。
いくら聡明だと誉めそやされようとも、エリーゼは御年4才。まだまだ幼児の域を飛び出すには速すぎた。
ふるふると必至に頭を動かし、誰かいないものかと目を見開いた。
「へや?」
幼い声が家具のない一室に響いた。
いくらかの時間をぼんやりと過ごしたエリーゼは、自分が床の上に寝かされていた事に気付くと直ぐに立ち上がった。
「アイネー?」
エリーゼは信頼してやまない専属侍女の名を呼びかける。エリーゼが知る彼女ならば、自分の声が聞こえ次第に現れた。
ドタドタと騒々しい足音に、自分の知らない何かが近付いているのを悟る。
「起きた?」
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