第17話 ゴミの中に

 たっぷりと水を堪能した後、隠れ穴を飛び出して売れそうな物を探す。


 これまでは怪我をしたあとに、傷口から入る雑菌で腕が腐り落ちやしないかと心配だった。腕を無くした男がいたし、買取屋も気を付けるように注意してくれた。


 綺麗な水が使い放題なら、安心して傷口も洗える。


 この最底辺のゴミ捨て場で高い物を探そうとすれば、必然的にゴミをかき分けた下を探すことになる。


 狙い目の金属だが、壊れた武具なんかは大人が奪い合う。下手に子供が出しゃばると怪我では済まない。


 だから誰にも発見されずに埋もれた何かを探す。結果として手や腕に怪我をしたとしても。


「人の手?」


 ゴミの中から白い腕が伸びている。白蓮は厄ネタの匂いを嗅ぎ取った。

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