第5話
田中・光村・二年二組・亮は純朴な少年であった。駐輪場に自転車を停めてバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが下卑た視線に晒されることを恐れており実際地獄服に身を包んだ獄卒たちはバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの淫靡なる風体に心ときめかせて狼に変身して地に足を四本着けて鼻先に括り付けたスマホのカメラがバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんを捉え横目に光村の姿を見てお前は田中か久しぶりだなと呻いた。その獣とは親交もなくないくせに親交ある者同士の言葉遣いと気心もて接近したるから彼我の境界曖昧であるとは自他境界の曖昧さでありつまりは自己定義の不能者であるがこれは心療内科に行ったところで解決する問題ではなく問題にしてすらいないのだから利他精神など望むべくもなく利己的であるのに自己定義を所属意識と他者との関係に頼るだけの記号意思の末端存在であるから獣にも堕ちるのだろうしギラギラした瞳に自己意識を肥大化させて田中・光村・驚き立ち竦む・亮を捉えて舌なめずりをした。かように人に化けた記号意識とその集積所たる11135Aの校舎もまた記号意思同士での仲間内での定義を行っているため瞬間に校舎の一部が記号意思としての姿を現して巨大なイソギンチャクとなって七の七十倍の目から怪光線を発射してバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの皮膚を焼き焦がそうとしてきた。やはり11135Aには自分の居場所などないのだと思い知らされて光村はいっそのことバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんを置き去りにして自転車に跨がり死の灰の降り注ぐ街を抜けてあの暗い部屋へ帰ってパソコンに照らされる生活に戻ろうかと思いもしたがそれを阻んだのは他ならぬバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんであった。
亮くん、せっかく学校に来たのに帰っちゃダメだよ~(>_<)
そしてバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは魅惑の肌を晒して薄衣の内より聖杖=ダーク・デビル・アーク・イビル・聖杖を取り出しまじないの言葉を声高に唱えれば天より尾を引き飛来したるは大いなる銀河の意思の一片が拳の形をして外道・イソギンチャク・校舎を叩き潰した余波に餓えた狼たちのカメラが割れると獣たちは目が見えなくなり互いに吠え合い居場所を知ると、過敏に発達した所属意識によって田中・光村・出席日数ギリギリ・亮の発する排他意識を共有して牙を剥き爪を立て光村の制服を引き裂き血肉を啜らんとするばかりだったが、バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんがフッと息を吐きかけると獣は愛を知って人間となったがために今なら光村によってでも殺すことができようとバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは豊満な乳の影に隠れたところにずっと携えていた聖邪悪魔道剣=ダーク剣・サンダー・エクスプロージョンの柄を光村に握らせて血まみれの光村はかつての獣たちに対峙すると上段に構えて勇気を込めればダーク剣・サンダー・エクスプロージョンの名の通り、世界の混沌を秩序に変え、エントロピーの爆発的変化の帳尻合わせに秩序に混沌を与えて欺瞞的楽園はゲヘナと化してその内の人々もろとも燃えつきたがダーク剣・サンダー・エクスプロージョンは慈悲の光もてゲヘナの炎とともに人々を復活させて再びの責め苦が始まりやがて炎の燃え尽きた後には刹那の平穏あってハレルヤ! 命の雫一つとして無駄にしてはならない復活した命はすぐさま業火に焼かれて決して逃れることはできずに回転する炎の剣となったところ知天使ケルビムが舞い降りてイソギンチャクの死骸の上に命の木が生えその様を呆然と見上げる光村がダーク剣・サンダー・エクスプロージョンを取り落としてガランと音立てたコンクリートは地響きを立てて崩壊してその下に隠れていた数多の記号意思たちが蝗害のごとく天空へと飛び上がった先に燃える剣が回転してことごとく燃やし尽くして灰神楽の中をバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんが聖乳房揺らして舞い踊るとなんと光村の傷が癒え、地獄服から脱臭されて制服となっていた衣が聖衣=グランドクロス・イクスクロス・クローゼット・聖衣へと昇華して宇宙意思を身に纏った光村の手を取ったバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは手を引いた。
それじゃあ亮くん、行こ~(^o^)
バーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの崇高なる使命とは田中・光村・二年二組の教室はイソギンチャクにはならなかった・亮に学校で授業を受けさせることにあり、それは即ち光村を記号意識への融和を果たさんとするものかといえば全くの逆であってパソコンに向かい合っているだけでは自己定義はできないからこそ外の世界、己がいかにして現存在となっているか、自らの世界内存在としての在り方を自ら取り戻させることによって光村は寂漠たる記号意思の支配する世界を主観的宇宙意思で簒奪しようとするものであるが記号意思は互いに定義し合うため中心がなく自意識がなく責任が伴わず利己的でありバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんによって全てを滅ぼされても仕方がないことと思えるがそれは光村の世界内存在としての再定義を阻害するものであるから外宇宙まで含めて記号意思から取り戻さねばならずならば光村の手を引く意思とはバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの崇高なる使命によるものかといえば違う違う愛だと言った筈だし宇宙意思とは暗黒星雲の内側まで浸潤する大いなる愛である。慈母か慈父かバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんには性別はなくバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんを中心として世界が巡行しているのだからバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの年齢は古びることも新たに誕生することもないから常に零歳であり、バストサイズは光村の手のひらの大きさと相関関係にあるがそうした些末事の一切は無視されたってバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの魅力を毫も損なわないように光村を愛することバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの愛に理屈はなくてバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの手のひらの柔らかさは愛の尊さだ。愛だ。愛だ。あいだ。間。イソギンチャク化した校舎の瓦礫の間に昇降口があってたくさんの生徒がひしめいており当然のごとくバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんの愛の溢れる魅惑の破廉恥破廉恥ささやく声にもバーニング・ゴッド・デビル・女神ちゃんは一顧だにせず手を放さない光村は制服がグランドクロス・イクスクロス・クローゼット・聖衣と成ったことで記号意思は簡単には手を出せないのに光村が埃の積もった下駄箱を開いた時に狼の少女が光村の名を呼んだ。
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