戦争と反撃
ガンガンガン!と、街を歩いていると耳障りな鐘の音が唐突に響いた。
ざわざわとしていた市場は静まり、市民は自宅に帰り店員たちは店じまいをする。
「ホワイトさんは街に来たのは初めて?」
「うん。」
「なら、魔獣の攻城も初めてなんだね。」
ミルアに手を引かれて魔狩人のギルドに向かう。
魔狩人ギルドは宿屋と受付とが併設されている会社のような建物だ。
扉をくぐった先では魔狩人たちがぞろぞろと集まっていた。
「私達魔狩人は魔獣の攻城が起きたときに集まって奴らを狩るの。参加不参加は自由だけど、参加すれば金貨5枚が全員もらえるのよ。まあ、場合によってはすごく危ないんだけど。」
受付で名簿に名前を書き、ちょうど始まった指示に従ってミルアが出ていく。
ここが一番安全だからと職員と一緒に待つようにホワイトは言われた。
のだが、
「ホワイトさん、でいいですか?」
「?はい。」
執事服の老人が訪ねてくる。
「領主様から伝言です。今回の攻城に参加してほしいと。南門に危険度の高い魔獣が出たそうです。」
「わかりました。」
一緒に待っていた職員(驚いていた)に一言断ってから、ホワイトは南門に出発した。
^^^^^
南門の防衛戦は最初こそ順調だった。
出てくるのは
危険度の低い奴らでは魔法士の広範囲低威力魔法で殲滅できた。
しかし、殲滅するに連れて数が増えていき、
「
それぞれの最下位種に玉座を持ち上げさせて現れたのは、国貶しこと
それも、二体同時にだ。
ゴブリンキングは力士と同じ体で、強靭な筋肉の上に分厚く硬い脂肪が天然の鎧のように覆っている。
中級魔法からしかその体を傷つけることができず、樹齢50年の木より少し太いくらいの腕から出させる力は体を鍛えただけの戦士であれば肉塊にできる。
コボルメトロンは魔法の使い手で魔法は上級からしか効かず、物理攻撃もかなりの力を込めるかしないと常時展開された障壁に阻まれてしまう。
そして、魔法の腕も一流だ。
上級魔法を使えるのに頭が回るので下級から中級までを状況に応じて使いこなす。
そして、両者とも仲間意識が強いため、奴らの群れの魔物を倒せば倒すほど怒りを買う。
すでに倒した魔物は1000匹に近い。
「
コボルメトロンが放ったのは上級炎属性広範囲高威力殲滅魔法。
世界唯一の真なる炎が南門を包み、門の前に出ていた全員を消失させた。
しかし、効果はそれだけではない。
瀕死の重傷を負っていたゴブリンとコボルドが回復し、憎悪と怒りを顔に浮かべて立ち上がった。
反撃の殲滅が始まる。
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