主人と魔狩人


 ミルア達につれられて主人の部屋に向かう。


 主人はこの街をおさめる貴族らしく、書類仕事とそれに伴うストレスからくる大食らいが合わさり、かなり太っている。


 が、ニコニコと人のいい笑みを浮かべており、役人の一人一人に気を使っている。


 かなり良い人だというのが伺えた。



「起きたかな!災難だったね!」



 あははは、と、少し大きな声で笑う領主は書類を処理しながら話を聞いていた。



「それで、宿泊費は払えそうかな?」



「はい。でも、奴隷にさせてください。」



「ん?どういう意味かな?奴隷になりたいのかな?」



「はい。」



 ホワイトはリボンとした会話を領主にする。


 それを聞いて領主もなるほどなるほどと理解を示した。



「よーくわかったよ。でも、この街に居る間は君は僕の街の民だ。だから、君の意志があっても奴隷にすることはできない。だから、こういう契約を結びたいんだけど…」



 と、領主が出した契約書は魔狩人としてこの街で生活するなら、変なのに絡まれないように後ろ盾になってあげる。

 その変わりに魔狩人として得た報酬の0.5割を収めてね。

 あと、強さに応じて指名で依頼するから、受けてね。

 といったもの。


 リボンもこの契約に同意すべきだと言ったので、ホワイトはホワイトラットとサインした。


 そして、もう一つの書類である魔狩人登録にも必要事項を書いて領主に渡した。



「よし、じゃあ、これらはこっちで処理しておくからね!ミルアちゃん、ホワイトちゃんに街を紹介してあげておいて!」



「わかりました。ホワイトさん、ついてきてね。」



 手を降って送り出す領主に一礼してから、ホワイトはミルアについて街に繰り出した。



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