一幕二章「魔力不足と変身」

現状と奴隷


 コンココン、とノックされる。


 形式的なものだったのか、すぐに扉が開かれ全裸のホワイトと入ってきた少年の目が合い、数秒間の沈黙が流れる。


 少年の目がホワイトの顔から体のラインに沿うように胸元、腹、下半身と変わっていき、その顔が(羞恥なのか興奮なのかわからないが)赤く熟れていく。



「あ、い、いや、その、すまん!えっと、あ…」



「???」



 対してホワイトはごくごく普通に手に持っていたワンピースを着るとベッドに置きっぱなしになっていたリボンを胸元につける。


 魔力供給が再開されたことでノーマンの意識も完全に覚醒した。



「やあやあ、ミスホワイト裸で何をしているのかと思ったら君も大胆だね。」



「どういうこと?」



「青少年に女の子の裸体を見せるとは…なかなか魔性のようだ。ああ、それか、が当たり前だったのかな?」



「別に挿れてるわけじゃないし、恥ずかしがることでもないでしょ。」



「これは失礼した。その通りだな!」



 愉快そうにするリボンと終始頭上に?を浮かべるホワイト。


 なかなか混沌としてきた雰囲気はもうひとりの手により終幕へと向かった。



「おーい、何して…ほんとに何してんのよ!」



「フグェ」



「わぁ!」



 扉から数歩入って固まっていた少年がホワイトの寝ていたベットの縁まで吹き飛ぶ。


 少年がいた場所の後ろ、ドアのところで足を蹴り抜いた状態で止めているのは少年と同年代に見える少女。


 二人共茶色の髪で茶色い瞳孔。


 元々は白かったと思われる肌は日に焼けていて茶色っぽい。


 そんな二人の左手首には少し場違いにも見える無骨な手枷がかけられていた。


 彼等は奴隷。


 現在のホワイトとほぼ同じ状態の存在だ。


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