9話
ゆうきの部屋で一悶着あった後、俺は用意されたベッドで寝ころがんでいた…
「える、ステータスを教えてくれないか?」
「はい。マスター」
水野旬
Lv.1
HP 500/500
MP 5000/5000
固有スキル
・視の魔眼
・印の魔眼
・エル (スキルの束ねる物)
・成長向上
・眷属召喚
・状態異常耐性
・身体強化
・武器錬金
一般スキル
なし
固有スキルと一般スキルは何が違うのか教えてくれ。
「はい。一般スキルはこの世界のスキルであり、この世界が見れるスキルになっています。なので、先程マスターは何もスキルがないと表示されました。私が弄れば、スキルは作り出せますが…そして、固有スキルはマスターは色々な世界に行っているので、色々なスキルを持っています。私も一様、固有スキルに含まれます。」
えぇ、いまいち凄いか分かんないんだけど、この世界の基準ってどれくらいなんだ
「この世界はHP100で結構上な方でしょうか…MPは500くらいが普通です。勇者でも2000くらいでしょうか…」
あらまぁ、確か右目で見ると、詳細が分かるんだったな。
視の魔眼
視ることを極めた魔眼。
絶対動体視力(どれほど速く動くものでも、精密に捉えることができる。)
絶対目測(目で見るだけで大きさの測量を行える。)
遠見(遠くの物を詳しく見れる)
顕微(小さな物を詳しく見れる)
闇目(どれほど暗くても見える)
鑑定(人間のステータスを表示する。物の詳細を表示する)
千里眼(第三者視点で遥か遠くの物も俯瞰できる)
幻滅(幻覚を消滅する)
透視(物理的に隔てられた先を透かして視ることができる)
映像記憶(見た物を映像として記憶する)
外線視(不可視光線を見ることができる)
印の魔眼
相手の技、相手の魔法などコピーができる。『剣術も含まれる』
無詠唱で実行できる。しかし1回それを使うと消える。
エル (スキルの束ねる物)
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・成長向上
能力、レベル、技能の全てにおいて、上向きの補正が入る。
また、種族の限界を突破する。
・眷属召喚
倒した敵を自分の眷属にできる。
絶対の忠誠があり、主に攻撃することはない。
・状態異常耐性
毒、麻痺など、全ての状態異常に耐性
・身体強化
体の強化。ステータスが上がる。そして、瞬発力上昇
・武器錬金
素材から、魔力を消費して武器を作り出す。形状は自分のイメージで決定し、完成度に補正が入る。自分の知識に応じて能力付与が可能(この場合消費魔力が加算される)。
視の魔眼が有能過ぎるな
そして、える。お前隠しすぎだろ?!
なんだよ。一切見えねぇじゃねぇか。
武器錬金は素材がいるのか。
さて、夜のうちに能力をいろいろ試してみたいんだが、この部屋で実験できる物は何だろう。まずは《視の魔眼》かな。
一つ一つ試していこう。
絶対動体視力(どれほど速く動くものでも、精密に捉えることができる。)
身体強化で十倍に上がったステータスで、手を最速でブンブン振ってみる。
おお、見える見える。ぼやけることもなく、ワイシャツのシワの一つ一つまでクッキリだ。
絶対目測(目で見るだけで大きさの測量を行える。)
部屋に備えられているタンスを見てみる。192cmかな?
あ、だめだこれ定規がないから正確さがわからない。しかもこの世界だと単位が違うだろうし。まあ178cmの俺の身長と比べてみると、大体そんな感じがする。ってそれくらいなら誰でも出来るだろ。
遠見(遠くの物を詳しく見れる)
窓から景色を見てみる。夜だから暗いな
闇目(どれほど暗くても見える)
闇目も試してみる。眼下に広がるのは王都。王城から離れるにつれ家は小さくなっていく。やはり階級で立地が変わるのだろうな。縁まで行くと、庶民の家のようだ。所々壊れていたり、寂れている。衛生状況も悪そうだ。まあまだ水洗トイレでは無いようだからな。王都は盆地に有るらしい。城壁の先に山が見える。集中すると、その木の葉の一枚一枚まで見れる。
顕微(小さな物を詳しく見れる)
布団を見てみる。繊維の一本一本までくっきりと。これはハウスダスト的なあれかな?これはノミの死骸か何かか?まるで顕微鏡のように見れるな。さすがに原子レベルで見ることは叶わなかったが。
鑑定(人間のステータスを表示する。物の詳細を表示する)
さっきのステータスを詳しく見た能力はこれだな。
ベッドの布団を見てみると…
最高級羽毛布団。
品質 B+ 値段 金貨50枚
グリフォンの雛の羽毛が使われている。非常にふわふわで、殺菌効果がある。王城の中でしかお目にかかれない。
ちょっと気になるんだが、える?この世界のお金の基準教えて?
「この世界は銅貨、銀貨、金貨があります。銅貨は100円、銀貨は1000円、金貨10000円です。」
なるほどな。ならこの布団50万すんじゃねぇか。さすが国のトップだな。
そんな高くてもB+なんだな。ステータスと違って視界に現れたわけではなく、脳内に情報が浮かんだ感覚だ。視界にあるわけではないので、鑑定はできないようだ。
千里眼(第三者視点で遥か遠くの物も俯瞰できる)
これは使い方がわからない。とりあえず、目を閉じて集中してみる。するとブワッと視界が広がり、上昇した。そのまま視界を移動できる。ドローンを飛ばしている感覚だ。視点は壁を通り抜けることは出来ないようで、窓から外にでてみる。後ろを振り向けば立派な王城。さっき窓から眺めた王都が眼下に広がっている。
そのまま山まで来れた。見たこともない動物がいる。これが魔物だろうか。どこまで行けるか試したいが、キリが無さそうなので止めておく。
幻滅(幻覚を消滅する)
試しようが無い。また使いどきが来るのだろうか。
透視(物理的に隔てられた先を透かして視ることができる)
ドアを注視してみると、その先の廊下が透けて見えた。待機中のメイドさんも見える。日本みたいなメイドではなく、ちゃんとしたメイド。
映像記憶(見た物を映像として記憶する)
目を閉じて今日の出来事を思い出してみる。おお、まるで録画したビデオを見るように鮮明に思い出せる。
外線視(不可視光線を見ることができる)
すごい。サーモグラフィーできる。赤外線と紫外線も見ることができるようだ。こう、表現しがたい色なんだが。さすがに電子線は見れないか。電子顕微鏡よろしく、原子レベルで見ることも叶わないようだ。
これらは全て合わせることができるらしい。
つまり、メイドさんの…やってみるか。
ドアの先を透視!
メイドさん発見!
鑑定!キャサリンさんという名前が判明!
絶対目測!身長161cm スリーサイズ上から79、61、80!
更に透視!下着は黒!
これ以上は見ない方がいいかも。やめとこう。
俺ルールとして、透視で見るのは下着までとしよう。歯止めが効かなくなるだろうしな。何より服の上から視姦するというのも楽しいのだ。ていうかメイドさん、おとなしそうな顔しておいて下着は黒かよ。良い趣味してるな。
次は《武器錬成》をやってみるか。
机の上にあった蝋燭立てから蝋燭を抜く。
鑑定してみると、銀製らしい。
とりあえず、ナイフでも作ってみるか。
《武器錬成》
体から何かが抜ける感覚がある。これが魔力かな?持っていた蝋燭立ての形が歪み、次の瞬間ナイフの形になっていた。装飾も無い、飾りっけの無いナイフだが、切れ味は鋭そうだ。鑑定してみるか。
銀のダガーナイフ(作者 水野 旬)
品質 B+ 値段 15000デル
純銀製のナイフ。完成度は高いが、銀で出来ているため実用性がない。装飾もなく、飾りとしても役に立たない。
まぁ、そりゃそうでしょうね。銀は柔らかい金属だから、装飾品でもない限り価値はない。でも品質はさっきの最高級羽毛布団と同じだ。《武器錬成》で作る武器は相当完成度が高いらしい。
消費MPは100くらい。常人だと5回くらいしか使えないようだ。
刃に触れてみると、すぐに皮膚が切れた。切れ味はかなり良いらしい。
よし、ナイフを戻すか。
《武器錬成》
あれ…?
一回錬成した武器は、もう
そうか、蝋燭立ては武器じゃない
《武器錬成》って武器しか作れないのか!そりゃそうだよな。じゃないと「武器」って名前にならないだろうし。え?じゃあ何?蝋燭立てに戻せないの?
俺はこのナイフをどうすればいいんだよ。監視が付いてる中こんな武器隠して持っていたら目を付けられるじゃないか!
ならこうするしかないのか…
《武器錬成》
蝋燭立ての仕込みナイフ(作者 水野 旬)
品質 A
一見蝋燭立てにしか見えないが、内部に特殊なギミックが仕込まれており、持ち手のボタンを押すと、蝋燭を差す針が飛び出てナイフになる。
すいません。メイドさん。蝋燭立てがナイフになっちゃいました。
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あけましておめでとう御座います。
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