第2話発覚

山崎純也の同期である、細川宏志に喀血の事を話した。

「純也心配するな。外科部長の僕が診てあげる。先ずはCTを撮ってみよう」

細川の笑顔を見ると何故か、心が安らぐ。

純也は休診にするわけにはいけないので、患者をさばき、夕方からCT室に向かった。

レントゲン技師がCTを撮影した。

その隣には、細川も立ち会った。

みるみる、細川の顔が曇った。CTが終わると純也は細川の受診室にいた。

レントゲンを見せた。

「残念ながら、山崎!お前は肺がんだ。

しかし、安心してくれステージ1だ。僕が執刀するよ」

「ありがとう、細川。しばらく、代理の羽弦先生に内科の穴埋めをお願いしよう」

「山崎、誰にも言わないで欲しい」

「だ、だが、隠しきれんぞ」

「オペまで!」

「わ、分かった」


純也は帰宅の足が重かった。途中居酒屋でビールを飲み。味のしない焼き鳥を食べた。

【まだ、ステージ1だ!なんちゃらの巨塔ではステージ1だと思い、開胸したら播種だった。まさか、ドラマみたいなはならんと思うけど】

純也は瓶ビール2本飲んで帰宅した。

まひるは、

「また、寄り道したでしょう?」

「うん」

「今夜は冷奴とサラダとカレイ煮付け」

「……」

「どうしたの?」

「おれ、肺がんなんだ」

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