龍大國

龍大國とその王

 龍大國とは、天に広がる地、天界に住む龍人の国とその下、地上の人間たちの住む七国から成り立っている。

 龍人たちは地上を下界と呼び、人間たちは龍人を神使と讃える。

 龍大國は二つの地を合わせ王国である。だが、王が統制をするわけではない。

 王は即位すると至高の宝となり、神と同位となされ崇敬される。そして、天界より上の天上界へと移り、そこで一生を過ごす。その後、天界、地上に降りることはまずない。

 何不自由なく暮らすのだ。ただ、逍遥自在というわけではない。龍人、人間たちを災いから守らなければならない。

 大地、草木、花、川、などの自然、人の作る作物が枯れぬように、日を当てなければならないし、雨も降らさなければならない。

 嵐、火山噴火、地震が起きようなら、それを治めるよう力を尽くさなければならない。

 つまりは、王は天災が起きぬよう努めなければならない。それを怠り、自身の欲に傲慢になり、人々に災いをもたらすようならば、その地位を剥奪される。

 その後、待つのは死だ。

 王の座を譲位することもできる。

 王は龍人の何百年の命をも超え、1000年以上生きるという。もともとの龍人としての命の時間を満たせば、その後、至高の宝でいるか、守護人として天界で龍人達の教育者となり、残りの命を捧げるか、2つに1つの選択ができる。

 もし、どちらとも拒否をするのなら、人の形を作らぬ、落魄の龍として龍大國を永久に追放される。

 王となるもの、選ばれるものは、本来ならば、邪心を持たない、純白な者。

 龍人、人、空、大地、命あるすべてのモノが愛であり、生きる意味である。それ以外、何も望まない。

 それが本来の王である。

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