第20話

涼宮ハルヒには特別な能力がある。

超能力や催眠術とはまた別の特殊な能力だ。

ハルヒがどのようにしてこの能力を得たのかは分からない。もしかしたら生まれた時から持っていたのかもしれないし、何かのきっかけに能力を授かったのかもしれない。

いずれにしても、ハルヒの能力は強力だった。なんせ自分の思考で世界を作り変えてしまうのだから。

ハルヒは普段抱えているストレスを閉鎖空間で解消していた。閉鎖空間とは建物や車などはあるが人がいないいわば、パラレルワールドのようなものだ。

ハルヒはここで建物や車を壊して自身のストレスを発散していた。

しかし、今は違う、ハルヒのストレスは現実世界で、それも仲のいいかおりに向けられようとしている。

いや、もしかしたらここはもう閉鎖空間の中なのかもしれない。

ハルヒがゆったりと上体を起こす。

口元は少し笑っているように見える。

涙が頬を伝っているが、目には表情がない。

蒼く光ったその眼はかおりを捉えて離さない。

ハルヒの顔の前が光り出した。

球体が発光していた。

その球体はピンポン玉ほどの大きさであったが少しずつ大きくなっている。

周りに電気を帯びているためか、パチパチと音が聞こえる。

やばい。

誰がどう見ても、この状況は最悪の事態であった。

止めようにも、体がいうことをきかない。

だめだ。ハルヒやめろ。

想いはあっても声が出ない。

一筋の閃光がかおりを飲み込んでいった。

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