第2話 赤い電話
少年の家には赤い電話がある。その赤い電話は通話が出来ない壊れた電話機だった。お母さんはそれでも赤い電話を家に置いている。少年は家で一人の時には、その赤い電話で通話ごっこをしていた。
ある日のこと、少年は家で一人、赤い電話で通話ごっこをしていた。つながるはずのない赤い電話がつながったのである。少年はもしもしと通話ごっこを続ける。赤い電話からは男性の声がする。少年はまだ気付かない。その赤い電話はつながらないことに。
すると。
「今から、迎えに行くね」
男性の声がそう言った。
それと同時に帰宅していたお母さんが顔を青ざめて少年を見て赤い電話を取り上げた。
お母さんはこう言う。
「これは死んだお父さんの物なのよ」
そうなると、迎えに行くね、は何だったのか? もしも、そのまま通話ごっこを続けていたら?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます