ゲーム8:うぃずらぶクッキング選手権①

 個人トーク:かず 伊織


 伊織『ちょっと聞いてほしいんだけどさ』

 かず『はい』

 伊織『私は、あなたを勝たせたいと思ってる。勝ってほしいんだよね』

 かず『ホントですか! 嬉しい! 嬉しすぎます! 僕に早織キュンをくれるんっすね!!』

 伊織『うーん、そうだなぁ』

 伊織『まあ、意味として間違ってはない』

 かず『やったぁっ!! 伊織先輩本当に神っす! 一生尊敬します! なんでもします!』

 伊織『まあ、喜ぶのはそれくらいにしといて』

 伊織『ひとまず、あなたを勝たせたいから教えてほしいことがあるの』

 伊織『あなたに、なにか趣味とか特技とかある?』

 かず『うーん……ムズカシイデスネ』

 かず『でも、家で料理はよく作りますね。最近、ちょっとフレンチとか作り始めたりして。まあ全然だめですけど、一通りの家庭料理は美味しく作れると思うっすよ』

 伊織『おぉ~。料理できる男子はモテるからね~』

 かず『ママパパ共働きなんで、兄妹両方家事はできるんすよね』

 伊織『おぉ~。いいじゃないの。よぉし』

 かず『あ、こんなんでよければ』

 伊織『いーのいーの。また聞くわ』

 伊織『あ、そうそう。そういえば、さっき何でもするって言ったよね?』

 かず『はぁ』

 伊織『じゃ、あんたと早織が付き合ったら、お兄ちゃんが私のことどう思ってるかとか聞いてね』

 かず『え、伊織先輩まさか……!』

 伊織『ま、そういうことは伝えずに上手いこと、よろしく』

 かず『りょう&かい!』




 個人トーク:健吾 伊織


 健吾『先輩!』

 健吾『先輩! 返事してください!』

 健吾『ちょっと! ヤバいですよ!』

 健吾『早くこっち診てください!』

 健吾『あ、違う、見てください!』

 伊織『はいはい、分かりました。健吾君がそんな女子と自分からトークルーム作るとかすごいねぇ。そんなことがあるんだねぇ』

 健吾『そんなことがあるんですよ』

 伊織『で、さっきから通知ピコンピコン鳴っててうるさいったらありゃしない。さっさと、要点だけ話してください。今、他の人と喋ってたからさ』

 健吾『じゃ、要点だけ伝えますけど……。勝太、あいつ抜け駆けしてますよ』

 伊織『ぬけがけ?』

 健吾『今日、友達ととよやま園に行ったんですよ。そしたら、勝太見かけて。何があったのかと思えば隣に女子がいるんですよ。どういうことかと思ったら、間違いないんです。早織ちゃんだったんですよ!』

 伊織『ふーん。顔見たの?』

 健吾『間違いないんです! ホントに、断言できます』

 伊織『その根拠は?』

 健吾『いや、見たからですって』

 伊織『うーん、了解。ちょっと重大な事案だね。報告ありがとっ』

 健吾『どいたまです!』




 誰が早織を自分のものにできるか競うグループ

 参加者 健吾・勝太・弘人・いおりん♪・かず


 伊織『そういえば、すでに前の親切丁寧家庭教師対決から五日も経っちゃってたね』

 伊織『だから、このグループ覗くのも久しぶりだわ』

 勝太『たしかにぃ』

 健吾『おい』

 伊織『まあ、そういうわけで早速次のゲームやっていきたいと思います!』

 健吾『なんでだよ?!』

 伊織『え?』

 勝太『え?』

 弘人『え?』

 健吾『え? いや、コレハナニ?』

 伊織『あんた、次のゲームやるっつったらなんでだよって?! また私にたてつくつもりじゃないでしょうねぇっ?!』

 健吾『あ、それはさっきの「おい」って書いたのに続けようと思って打ってて、送信ボタン押したらそれより早く伊織先輩がメッセージ売ってたんでそういう風に見えただけであって、断じてそんなことは……』

 伊織『はいはい、分かりまちた。許してあげまちゅ』

 健吾『ありがたき幸せ』

 かず『でぇ? 次のゲームはなんすか?』

 伊織『よくぞ聞いてくれました一樹君』

 伊織『続いての第八ラウンドはっ』


 伊織『うぃずらぶクッキング選手権でぇす!』


 勝太『なんだ、それ?』

 弘人『うぃずらぶってwith loveで合ってますか?』

 伊織『うん』

 弘人『じゃあ、愛を込めてってことですか?』

 伊織『正解!』

 勝太『お~、あったまいい!』

 健吾『じゃあ、愛を込めて料理を作るってわけか……は? りょうりぃ?』

 かず『そうっすけど』

 健吾『マジで? 待って待ってやばいやばいやばい。終わったかもしれん。これはちょっと……』

 勝太『実を言うと俺もそんな得意じゃない』

 弘人『いや、僕、実はものすごい得意料理があるんだよね』

 かず『?!?!?!?!』

 伊織『おぉ~。これはいいね。ナニナニ?』

 弘人『カップラーメンっす』

 勝太『アホかっ!!』

 健吾『期待して損した』

 伊織『もう、そういうのいいから。じゃあ、全員が料理未経験化、苦手ってことで合ってるね?』

 かず『いや、僕そこそこでいるんすよ。ちょっと、ママもパパも結構遅くまで働いてるもんで』

 伊織『へぇ、そうなんだ。じゃあ、会場はいつにしよう?』

 伊織『直近の日曜日で空いてる日、教えて?』

 健吾『ええっと、来週の日曜日が無理ですけど、それ以外の今月はいける』

 勝太『僕いつでも』

 弘人『僕も』

 かず『僕も』

 伊織『了解!』

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