ラブ2:お笑い好き男の恋
けんちゃんかっちゃんこうちゃん(みんな高一)
参加者 健吾・勝太・弘人
健吾『なあなあ、お前好きな人いる?」
弘人『いるけど』
勝太『いんの? マジ?!』
弘人『いるんだなぁφ(* ̄0 ̄)』
健吾『誰?』
弘人『鈴川早織ちゃん。仲いいし、カワイイじゃん』
勝太『マジ?! ヤバっ……』
弘人『どういうことだよ? あ、お前まさか?!』
勝太『そうなんだよ。俺も早織のことが……』
健吾『はぁ?! ふざけんなよ! 俺だって早織が好きで彼女にしようと思ってんのにか?』
勝太『マジかよぉ』
弘人『嘘だろ(っ °Д °;)っ』
健吾『お前ら、友達だと思ってたら裏切りやがって』
勝太『いや、裏切ったわけじゃないけど』
弘人『恋愛ってそんなもんじゃないの』
健吾『そんなもんってどんなもんだよ! 神様は残酷すぎるだろ……』
勝太『とりあえず、どうしよう>︿<』
弘人『トリマ、一晩各自で考えるのはどうだろう……?』
勝太『ああ、ああ、ああ。そうするか……』
なんせ、身近な友達と好きな人が被るというのは俺の恋愛人生の中で初めてだったからだ。
――これまで、何人に告白されてきたっけ。
勝太はお笑いが好きで、幼稚園、いや、二歳くらいになると、すぐに人を笑わせることが得意になっていった。
小学生になってからもそれは続いたが、そこからスポーツの才能が開花する。小学校の頃はマラソン一位をキープしていて、勉強はまあ普通。
そして、六年になると低学年への面倒見の良さや、単純な面白さなどから人気をつかみ、単純な演説で児童会長に立候補したが……。見事、当選したのだ。
みんなを楽しませることが好きな勝太は男女学年問わず、みんなと話して、みんなを笑わせた。
そして、児童会としてもみんなが楽しい学校生活をとイベントを考えまくって、もはや児童会長・勝太の人気は不動になってきた。
そして、恋愛事情はというと、三年の頃に初めて告白された。
当時はまだ恋愛というものを分かっていなかったこともあり、付き合い始めたが、恋愛というのが分かってくると彼女は自分の理想じゃないということを理解した。それで、別れた。
まあ、たまに付き合ったことはあったには会ったけど、自分はそんな好きじゃないからすぐ分かれたけど。
で、四年の頃に児童小説にハマってからは恋愛……色恋を求めるようになってきた。
でも、自分が誰誰を好きだというのはないから、告白を待つことだった。
普通だったらあまり来ない人が多いのだろうが、勝太は異常だった。
誰誰が勝太を好き、あの子が勝太に告白するとか言ってる、彼女が勝太を見ると顔を赤くする・・・・・いろんな噂があっちからこっちからと流れてくる。
だが、地味な子は勝太に手が届くはずもなく、諦めて行った。
一方、目立つ子は結構勝太に告白した。
勝太は自分に告白する子を選別するというのが好きじゃなかったから、みんなをフッた。こんなに自分を好いてくれる子を選ぶことなどできなかったからだ。
中学になってからもこの事情は続いた。
サッカー部に入った勝太だが、野球もバスケもバレーもテニスも、水泳に陸上、体操もできる。
成績はめっちゃいいってわけではなかったが、まあまあ良い高校に行けるんじゃないかってところだった。
そして、お笑いの腕もなまっておらず、逆にめきめきと腕を挙げていき、中学の卒業式では堂々とお笑い芸人になりたいと言い切った。
また、面倒見の良さも変わらず、勝太の人気は学校中で高まった。
四百七十三人もいるこの学校で、勝太はまたしても生徒会選挙に勝利し、生徒会長になった。
そして、良く学校中を回り、会ったこと話をした。
告白はもっともっと多くなっていったが、小学校時代と同じく自分が誰かを好きになったということがなかったから、みんなフッていった。
で、高校へ進学。
サッカー部に入ると、中学と同じくミッドフィルターのポジションに落ち着いた。
ミッドフィルターは真ん中にいるポジションで、攻めと守りを繋ぐ役目がある。
で、そこで健吾と弘人に会った。
なんでか分からないが仲良くなって、LINEグループもできた。性格はみんな対照的だが、ここまでうまくできて行っていた。
まあ、その高校で初めて人を好きになった。鈴川早織だ。
彼女もクラスの人気者だから、みんなに好かれた勝太とは話が合った。
そんなかわいらしい早織を勝太は知らぬ間に好きになっていたのだ。
ふと、二人はどんなことがキッカケで早織を好きになったのだろうと思って聞いてみた。
勝太『ところで、いつからお前は恋愛に興味なんか持ち始めたんだ?」
弘人『確かに。サッカーしか興味ないんじゃなかったっけ』
健吾『いや』
勝太『ほれほれ。恥ずかしがらずに明かせよ。いつの間に変身したんだ? まあ、俺らはアオハル世代だから無理もないけどさ』
弘人『健吾、いいじゃん。教えてよ』
健吾『無理なもんは無理だ』
弘人『そこをなんとか!』
健吾『無理なもんは無理だ。そんなもん教えたって何の価値もない』
あらら、健吾はキレているようだ。
そんな性格のやつだから大体わかったが……。
健吾『まあ、人間の本能で恋し始めたんだろう』
しばらくすると返信が来た。
――人間の本能、か。
なら、自分の本能である、お笑い、運動、勉強・・・・・その人気を信じて恋をするだけだ。
人気者に選ばれるのは人気者でなくちゃいけないはずだ。
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