第21話 出発 × みんなで笑った
新築ルームツアーと、自宅でバターラン大会の動画編集が終了した。
今は、『地底王国がないか検証してみた』と、
『トレーラーハウスを作って車で移動してキャンプしようとした結果』の編集中だ。
地底王国がないかの検証は大変だった。
マンホールから地下に入ったが、臭いとかいる動物的にも、非常事態宣言発令中状態になった。
地下は、本当に迷路のようになっていて、どっちの方角とかもわからない。
懐中電灯で、各々脅かしたりし合いながら、進んで案の定迷ったり。
気づいたら、ドゥーエがいなくて、みんなで探したり。(靴が引っかかってかなり後ろにいた)
ちなみにだが、サンクがはまった。
約一週間いろいろと大変だったようだ。
アーメン……
もちろん地底王国はなかった。
でも、撮れだかは充分だから、後は編集の腕に任せよう。
『トレーラーハウスを作って車で移動してキャンプしようとした結果』
みんな建築の知識がなかったから、見よう見まねで木を組んで、ビスを打ち、6畳ほどのリビングとユニットバス・トイレ・ミニキッチンを設置した。
全部、中古品で買ったから比較的安かった。
車輪の変わりに台車4つを角に固定する。
なかなか、かっこよくできた。
さあ、出発だ!
車にフックを着けて、全員トレーラーハウスに乗り込む。
運転手はリンの父で車を発車させる。
目的地は10分走った先のキャンプ場だ。
一本道だし、他の車も通らないから安心。
念のため、20~30キロで走行した。
結果。
繰り返される振動が台車の車輪を1つずつ削り取った。
壁の木も、継ぎ目部分が振動に耐えきらず、ギィギィ悲鳴を上げる。
「ヤバくない?」
「ヤバいかも」
「そこ押さえてっ!」
「多分右の車輪外れたっ! みんな左に寄ってっ!」
「ガタンっ!」
台車が壊れて、左に傾く。
ガリガリガリガリっ!
『BURRN!』
次の瞬間、大破して全員外に放り出された。
全員道路を転がる。
10回程ぐるぐる転がり止まった。
念のため、ヘルメット・肘当て・膝当てをしておいて良かった。
でも、体が痛い……
セイスとチルのTシャツは破けている。
ワンとドゥーエは靴が脱げ、靴下もボロボロ。
タラータとオイトは笑った。
それにつられて、みんな笑った。
……
やっと、動画4つの編集が終わり、連続アップロードも終わった。
ここからは、リンとアリの仕事の時間だ。
リンは海外旅行SNSのみんなに動画デビューした旨と登録のお願いを一斉送信した。
メールには、世界旅行中に、日本で大切な仲間に出会えたこと。その仲間みんなで相談した結果、仲間で動画デビューすること。を、自分の夢も付け加えて記載した。
アリは日本のチャンネル登録者とハーフ会のメンバーに新しいチャンネルの情報を公開した。
リンの父は会社で息子の【u-tube】デビューを宣伝した。
従業員は11万人もいるのだ。少しは登録してくれるだろう。
……
結果、一週間で登録者10万人を達成して、まずは起動に乗った。
「予定どおりだね」
みんなで笑った。
……
ぼくたちは8年後、水耕栽培システム会社を買収する。
野菜と果物がたくさんとれる。
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