【閲覧注意】6話 地下室
~ご注意ください!~
※残酷な表現があります。
不快に感じる可能性がある方は読むのをお控えください。
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「出て来なさい」
お母さんがわたしを
誕生日の
はっきりした時間はわからない。
まぶしいとは感じなかった一階。
窓は全て板でふさがれている。
お父さんとお母さんが、昨日の
お昼になって、やっとこの
普通に窓があるってすごいことなんだ。
それにしても、
だからこそ、
でも、火を
「地下室にいなさい」と言われたのに、一階のリビングへ呼ばれたわたし。
わたしからは話しかけられない
いつも、
お父さん、お母さん、わたし、お兄ちゃんたち、お姉ちゃん。
おじいちゃんが使っていた椅子はコニースがもう少し大きくなったときのために置いたままになっている。
お父さんとお母さんは昼食を先に食べ始めている。
「
「わたしの椅子は?」
「
……。
「早く、床に座れ」
わたしはお父さんの言うとおりにするしかなかった。
床にはもう窓ガラスは
お父さんはさっきまでブリッジ先生と何かヒソヒソ話していた。
「もう、御前は学校へ行かなくて良いことになった」
「学校へ行かなくて良いってどういうこと?」
「チェリオ!」とお母さんはそれはあんまりだと怒る。
「マリーナ、これから私たちは
お父さんがわたしを見下ろしている。
「もう、御前は
「じゃあ、働くってこと?」
「いいや、祝福が無い者は存在しない。
食べ物は
もう、地下室へ行け」
「お父さん、待って!」
「お父さんも
そのパンを
早く、地下室へ戻りなさい」とお母さんはわたしを見ずにコニースを抱きしめている。
コニースは赤ちゃんだから、何もわからない。
わたしを見下ろして、きょとんとしている。
「何で?わたしが片付けを手伝わなかったから?」
「もう、マルチェラは外に出てはいけないの。町の誰とも話しちゃいけないし、遊んじゃいけない」
わたしはパンを拾って、地下室へ戻るしかなかった。
地下室のドアを開けると、
十六段。
本当は大嵐のときに家が吹き飛ばされても、地下室で避難生活が送れるように作られた
階段を下って、おじいちゃんのソファーに
パンを
逆流するような水の
もちろん、男子トイレ故障のときみたいなトイレの臭いはしない。
地下室を作っても問題無い。
だから、この家の周囲には大きな
誰かがわざと水を流している?
「地下室に水を流さないでください!
マルチェラが中にいるんです!」
「水死させてやるんだ」
水死?
誰かがおかしなことを叫んでいる。
「罪も無い子どもを殺そうとするなんて!」
「町の皆でチェッラ夫妻の出来損ないの子どもを片付けてやるんだよ。
アンタ等親には子殺しなんて、無理だろう?」
「無理も何も、地下室があるから、その必要はありません!」
お母さんが怒鳴っている。
コニースがびっくりして泣き出した。
「ずっと地下室で軟禁するのか?
御前等が死んだら、コニースが面倒を見るのか?」
「上の三人の子どもはそれが嫌で、家を出て、フィニー以外で暮らさざるを得なかったんだろ」
「たった一人の犠牲で、また家族六人が幸せにフィニーで暮らせるようになる」
男の人たちが家の中にドカドカ入って来る
「それに、この国で祝福が目覚めなかった子は法的に存在を認められない。
チェリオ。
港湾警備隊なら、その処刑方法がむごいことを一番知ってるはずだ!」
「悪物よりも、この大陸は
「
「始祖様が
処分するしか無い」
「お待ちなさい!
『あの子』の学籍は
……?
ブリッジ先生は午前中に一度家庭訪問して、お父さんに追い返されたはず。
どうして、戻って来たんだろう?
学校で授業をしなくて良いの?
「
今日はまだ十歳の誕生日だ。
国に先を
俺たちは先に、町からあの子を追放する!」
「ブリッジ先生。
先生の教え子では
自分の教え子を
「国に見殺しにされるよりも、町の仲間が処分してやれるほうが良いに決まっている!
さあ、マルチェラを渡せ!」
大人たちが言い合いをしている。
「わたしは
彼等はマルチェラ・チェッラを殺さない」
この声は女の子の声。
お金持ちだけれど、学校をサボる子じゃ無い。
ジュリアン、どうして来たの……。
「
処刑人が広場で行う処刑宣言は明日の朝。
明日、この町で処刑が行われる。
じゃあ、今日は何をする日?
貴方たちの誰かが密告したら、どんなに早くても明後日以降の処刑にずれこむ。
もう、密告しても国王陛下からの
「御前はロープの家の子か!」
「静かにしろ!」
「処刑人は国王陛下の命令を受けて、処刑をする。
今回、『
「誰が言ったのかしら?
貴方たち親が国に申告すれば、親に報酬が
ブリッジ先生が申告すれば、ブリッジ先生個人に報酬が?
「『密告なんて、最高』!
そう考えたのかもしれないけれど、処刑命令は公文書。
公文書作成に
「
「ロープ家は
「町役場の職員がきちんと、
処刑は
いいえ、違うわ。
処刑はアンブレラ小王国の公務よ」
「マルチェラより
「ジュリアン・ロープ、学校を
「……ふふふ、皆さん。
窓を……あら、この家は窓が板でふさがれているのね。
だから、何も知らないのかしら?」
ジュリアンは地下室のドアをおさえている、小さなテーブルを移動させているらしい。
「皆さんはドアの外に出て、よく確認したら?
わたし、この霊園通りに来るまで、何度も
わたしはもう
急に一階が静かになった。
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