第8話
妹達の名前が決まった次の日、俺は扉の外から聞こえる音で目覚める。
なんだこの音?俺の部屋に近づいてくる。
扉が開くとイザベラと母さんが入ってきた。
その2人の手にはベビーベッドがある。
ベビーベッドの上には、ミカとリエルがいた。
「アレスー!この子達がアレスと一緒いたそうにしていたから、同じ部屋でもいい?」
「はいっよろこんで!!」
母さんがそう言い、俺の両隣に妹達がいるベビーベッドを置く。
サイコーかよ!!この子達の顔なら一生見てられるわ!!暇とか全部吹き飛ぶわ!!
妹達が俺の部屋に来てしばらく経った。妹達が来る前は暇に殺されそうになったが、今は妹達の顔を見ているだけで、一日が過ぎ去る。ちなみに母さんも、毎日部屋に遊びに来る。
俺は一日を妹達の顔を見て過ごしている訳ではない、今はよたよた歩くのではなくちゃんと歩けるように練習している。
早く歩けるようなって自分の足でこの屋敷を見て回りたい。
歩く練習をしすぎると赤ちゃんの体では、不調をきたすかもしれないので、程々に休憩している時。休憩している時は、妹達と遊んでいる。
ちなみに今は3人用のベビーベッドに妹達と入っている。
遊ぶといっても、2人が俺の手を掴んだり噛んだりしているだけだ。
手が2人のよだれでベトベトになるが、不快感は一切感じない。
俺の妹達かわいいねぇ
前世は兄弟がいなかったため新鮮な気持ちだ。兄弟はいらないみたいな事を言うやつがいるが、そいつらぶん殴った方がいいんじゃないか?。それとも俺の妹達が可愛すぎるだけか?
妹達が生まれて早くも3ヶ月が経った。
いやー早かったな。
本当にこの3ヶ月は、暇という言葉が頭に浮かばないほど充実していた。
妹達と遊んだり、歩く練習をしたり、妹達と遊んだり、妹達と遊んだり。
歩く練習をし続けたおかげで、綺麗に歩けるようになったな。
今なら部屋の外に出て、屋敷の中を探索できるかもしれない。
母さんが部屋に入ってきたら聞いてみるか。
「母さんが来たわよー!!」
母さんは今日もハイテンションで部屋に入ってくる。
「おはようかあさん」
「アレスおはよー!」
そう言いながら抱きつき、いつもと同じように顔を舐めてくる。前のように母さんの、よだれで溺れるほどの激しさではないが、十分激しい。
母さんお得意の顔面舐めを妹達にやっているのを見たが、リエルとミカは嫌だったらしくめちゃくちゃ泣いていた。その泣き声がイザベラに聞こえていたらしく、すごい形相で部屋に入ってきたイザベラに母さんは死ぬほど怒られていた。
まぁ、俺も妹達を泣かしたのに怒っていたので、暫くの間舐めてくるのを拒絶していたからな。世界が終わりかのような顔をしていたから、さすがに懲りただろう。
...俺の顔を舐めるのは辞めないのか...
「かあさん、いえのなかたんさくしたい」
「この屋敷の中探索したいの?いいわよ!ほら抱っこよ!」
違うんだよなぁ、俺の足で見て回りたいだよ
「ううん、おれあるけるからだっこいらないよ」
「うーん...アレスには危ないかもしれないわよ?こけて怪我でもしたら母さん泣いちゃうわよ...」
クッ!!俺の体を心配されたらなんも言えねぇ!
けど見て回りたいんだよなぁ...
「おねがいかあさん!!」
俺は必殺技「抱きつく」を使用し、了承を得ようとする。
「うひっ!、う...うーん..もうちょっと考えさせて?あっ!離れちゃダメよ....ぐひひっ」
「ぐひひっ」て女性が出していい声じゃないだろ、ましてや母さんは顔が綺麗だから全然似合ってないし。
母さんに抱きついてから30分ほど考えている。
長いな...まだ決まらないのか?
「かあさん?」
「ぐひひっ...ハッ!どうしたの!?アレス!?」
「たんさくするの、ゆるしてくれる?」
「まっ、まだよ!もうちょっと考えさせて?」
うーん、こんなに長く考えるってことは今日は探索に行くの許してくれそうにないな...
今日は諦めるか...
そう考え母さんから離れようとする。
「まっ、待って!!あと5分抱きついてくれたら、許可しそうな感じがするわ!!」
「ほんと?」
「本当よ!本当!!」
これってどう考えても俺が抱きついている時間を伸ばしたいだけだろ。
まぁ、減るものじゃないし別にいいか
その後、5分どころじゃない時間が経ち、探索が許された。
俺は今、初めて自分の足で部屋の外に出る。
いつもは抱かれていたせいで自由に見て回れなかったが、今やこの屋敷の中を探索し放題だ。しかし1人で歩き回るのは危ないということで、必ず母さん同伴しなければならない。
俺はこの階と、中庭しか見たことがないから、他の階を見てみたい。
まず俺がこの屋敷のについて分かっていることは少ない。俺が今暮らしている部屋は、屋敷入口の庭に面して、屋敷の中心には大きめの中庭がある。上から見ると屋敷は漢字の口の形をしている。屋敷の裏側には運動場があり、よく兵士のような人達が訓練している。程度のことしか分からない。
あぁー、屋敷の中を探索するだけでもワクワクするな!
修学旅行でホテルの中を探索するやつの気持ちがわかったわ!!
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