第6話



おっしゃ!本の続きを読むか!意気揚々ベビーベッドを降り本に向かう。床に置きっぱだったから、イザベラに本を取って貰わなくてすむな。



大賢者ローレンの教えは最後まで見れていないが、他の本も気になるし違う本読んでみようか。



次に俺が手に取った本は「覇王アルクスとは」だ。

ページを開いて読み進めるが、地味に面白くない。覇王アルクスの絵本の方が面白かったわ。せいぜい絵本で描かれていない些事が書かれているだけだ。絵本にあった戦闘シーンもあったが、絵本ほど燃えなかった。


「アレス様、イザベラです。」


と言いながらイザベラが部屋に入ってくる。

心配して俺の部屋に来てくれたのかもしれないが、本は床に置いてあるから俺1人で本読めるんだけどな。まぁいいか。


「覇王アルクスとは」はハズレだったな。

少し気落ちしながら違う本に手を伸ばす。

そうするとイザベラが、ニコニコしながら話しかけてきた。


「アレス様は文字が読めるのですか?」


嘘をつくことでもないから正直に答える。


「うん」


そう言いうと、イザベラが満面の笑みを浮かべる。興奮しているのかいつもより感情がこもった声で喋りかけられる。


「素晴らしいですアレス様!!生後1年も経たず文字が読めるようになるなんて!、神童や天才なんて言葉では表せられないですよ!!」


お...おぅ.....すごい勢いでくるじゃん


普通はありえないからもっと気持ち悪がられるかと思ったが、好意的な反応で良かった。


止まらぬイザベラ褒め言葉を流しながら、「世界の宗教」を手に取り、読み始める。



この世界には多くの種類の宗教があるが、その中で特に大きな力を持つ「世界教」が、この世界で1番メジャーな宗教だ。世界教とはこの世界全ての生命を生み出した創造神ヘレスを信仰する宗教である。


この本を見ている限り、ほとんど世界教について書かれている。


うーん、この本も見ていてあんまり面白くない。次の本読むか。


次は「我らが大地ファスティア」を読む。


今私たちがくらしている世界は創造神ヘレスがお作りになられました。


まず果てが見えぬほど巨大な海を創造されました。

創造神ヘレス様が次にお作りになられたのは今、私達が暮らす7つの大陸です。


東側にある細長い大陸はエルミス大陸

南側にある横に広がる楕円形の大陸はビーク大陸

西側にある巨大な大陸はシンダレス大陸

北側にある面積は小さいが過酷な環境のディバン大陸

エルミス大陸のすぐ西側にある大陸をイチラン大陸

シンダレス大陸のすぐ東側にある大陸をジパング大陸

この世界の中心部分にある大陸をファステスト大陸



これらの大陸や海を総称してファスティアと呼ばれています。




創造神ヘレスねぇ... 強ぇのかな...戦ってみたいな...


まぁ、この本はここまででいいか


最後は「スキル大全集」だ


正直この本が気になりすぎて、他の本が集中して読めなかったからな



「スキル大全集」結構分厚いな、200ページぐらいあるんじゃないか。


「魔王ちゃんの冒険記」を除いて、100ページもなかったからな。


ちなみに「魔王ちゃんの冒険記」は漫画200ページ以上ある。



「スキル大全集」を開く



スキルとは魔力と同じ全ての生物が持つ力のことである。


スキルは約何万種類もあり、多種多様な能力がある。


スキルには大別して5つの種類がある。


まずは技術スキル


技術スキルはスキル名に関する行動をする時に補正がかかる。


例 【剣術】


この場合、剣を使った行動のみ補正がかかる



次にジョブスキル


ジョブスキルは、技術スキルと同様、スキル名に関する行動をする時に補正がかかる。しかし、技術スキルより補正する数が多いため、一つ一つの行動が技術スキルより補正が低い。


例【剣士】


この場合、筋力と剣を使った行動に対して補正がかかる。




次に魔眼スキル



魔眼スキルは特定の行動に補正がない代わりに、目に特別な能力が宿る。目に魔力を集めることで発動する。稀に魔力を集めなくても発動する、常時開放型の魔眼も存在する



例【魅了眼】



発動し目を合わせることによって、相手を魅了する。




次に加護スキル



加護スキルは技術スキルとジョブスキルを合わせ、強化された能力である。ジョブスキル並に広い範囲に技術スキル並みに強い補正がかかる。



例【剣士の加護】



筋力と剣を使った行動に対して補正がかかる。



最後に特殊スキル



特殊スキルは、強力な効果を保有するスキルのことである。効果は千差万別で統一性がない。



例【成長強化】



効果は全ての能力が成長しやすくなる



技術スキル、ジョブスキル、魔眼スキル、加護スキル、そして特殊スキル


この5つだ。


その他にも上位スキルというものが存在する


特殊スキルを除く全てのスキルには下級、上級、王級、神級の4つの位がある。


上級以上のスキルのことを上位スキルと呼称する。


下級【剣士】

上級【剣豪】

王級【剣王】

神級【剣神】



スキルは生まれながらに持つものだが、5歳になるまで使えない。

5歳以上になり、教会で創造神ヘレスの加護を得ることで解放される。



ん?なんで教会でしか、加護得られないんだ?

教会に行けないやつはスキルが解放できないじゃないか。



「いざべら、なんできょうかいじゃないと、すきるをかいほうできないんだ?」

「それはですね、創造神ヘレス様の力が教会の中でしか発揮出来ないからです。」


教会の中でしか力を使えないのか。

もしこの世界がピンチになったらどうするんだろうな。


「きょうかいにいけないひとは、どうするんだ?すきるがつかえないままなのか?」

「いえ、スキルの解放は義務ですので、どんな人でも強制的に解放させられます。そもそも教会に入れない人は存在しません。」



じゃあスラム街の子供達はどうするんだ?

教会に引っ張られていくのか?

スラム街の子供達のことも把握してんのか?


「すらむがいのひとたちはどうなるんだ?」

「アレス様、スラム街とはなんなのでしょかうか?」


えっ!?スラム街のことを知らない?

この世界には、スラム街って概念がないのか...?


「おやがいなくて、まともなせいかつができないこどもいないの?」

「うーん...恐らくいないと思います。親がいなければ孤児院に入れられますので。そもそもこの国には掃いて捨てるほど仕事がありますので。」


すごいなこの世界。

まぁこの国だけすごいのかもしれないが。



俺のスキルなんなんだろうな...早く知りたいなぁ... あと4年も我慢しなくちゃ行けないのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る