第5話

母さんに専門書を見させてもらおうとしていた日の翌日から母さんが俺の部屋に来ないようになった。


妊娠してるので、今キツい時期なのかもしれないな。


今は母さんの代わりにイザベラが絵本を読んでくれるようになった。


イザベラは専門書とか見せてくれるかなぁ...

母さんは俺に甘々だったので行ける確率の方が高かったが、イザベラは行けるか?


「いざべらぁ」

「?どうなさいましたかアレス様」

「もっとむずかしいほんよみたい」

「もっと難しい本ですか...」


イザベラは手を顎に持ってきて思案している。

おっ、結構好感触だ。イザベラは見せてくれないものだと思ったが..なんでも言ってみるもんだな。


「うーん...しかし...」


あっ、見せてくれない方に傾きはじめた。

...どうするか..可愛くおねだりしたら見せてくれねーかなー。


「いざべらぁむずかしいほんみてみたいよー」


そう言いながら俺はイザベラに胸元に抱きつく。

...イザベラは胸が母さんよりちっさいからちょっと寂しいな...


「はぅ...アレス様、私に任せてください!!」


おお、めっちゃやる気出すじゃん、今度から何か頼む時は抱きつこ。







イザベラが部屋大量の本を持って部屋に入っ

くる。


「アレス様、どのような本が読みたいですか?」


イザベラは持っていた大量の本を床に並べる。

床にある本には色々なものがある。


ガルガンチュア王国の歴史書

大賢者ローレンの教え

スキル大全集

覇王アルクスとは

世界の宗教

我らが大地ファスティア


目についた本はこの6つかな。

他にも色々な本があった、芸術は爆発だぁ! 炎とは素晴らしきもの 魔王ちゃんの冒険記

などの本があったが、イロモノ臭がするため今は見ない。


...魔王ちゃんの冒険記の表紙に、露出の多い褐色ロリがでかでかと書かれているんだが...

ちょっと気になったので適当にめくったページを見てみると魔王ちゃんぽい人がスライムにまとわりつかれていた。


うん...子供に見せるもんじゃないね...







まずはガルガンチュア王国の歴史を見てみるか。

ん?そういえば俺が暮らしているところってどこだ?イザベラに聞いてみるか。


「いざべら、おれのくらしてるところってどこ?」

「私たちが今暮らしているところはですね、

ガルガンチュア王国の王都ガルガンという所です」


へぇーここってガルガンチュア王国だったのか。


ガルガンチュア王国の歴史書を開いて内容を見ていく。


ガルガンチュア王国

この国は1000年以上の歴史を誇る大国である。この国はエルミス大陸の全域を統治している。


エルミス大陸ってなんぞや...さっそく知らない単語が出てきたな。またイザベラに聞くか。


「えるみすたいりくってなに?」

「エルミス大陸というのはこの世界にある7つの大きな大陸のひとつです」


へぇー大陸とかあるんだ、スッキリとした気持ちで続きを読む。


元々ここは呪いによって不毛の土地だったのだが。聖女がその呪いを祓い、自然豊かな土地になった。そして聖女の仲間であった勇者にの手によってこの国が作られたのだ。

勇者たちの統治はしばらく続くが豊かな大地を狙った国が他の大陸から押し寄せた。しかし、絶大な力をもつ勇者やその仲間たちの聖女や戦士、魔法使いなどの力によってこの大地が守られた。


読むのはまずはこのぐらいでいいか。

...気になる本もあるしな。


次は大賢者ローレンの教えを読む。


開いた最初のページにはこの本を作った大賢者ローレンの紹介文が書かれている。

要約すると大賢者ローレンとは全ての魔法を極めた存在らしい。



次のページから「魔法とはどいうものか 」と書かかれている。


魔法を知る前にまずは魔力というものを知らなければならない。


魔力とはこの世界の全生命体に宿る、目に見えないエネルギーらしい。個人が持つ魔力の量は先天的に決まっており、修行などをして魔力を増やすことができない。魔力を増やす方法は一応あるがほとんどが禁術扱いだ。



次に魔法の属性について説明する。


魔法には8つの属性がある。


火属性

水属性

土属性

風属性

闇属性

光属性

無属性

固有属性

この8つだ。


火属性、水属性、土属性、風属性、無属性は基本属性と呼ばれており、全ての生き物には火水風土魔法のいずれかに適性がある。

無属性とは身体強化の魔法がつかえる。無属性は全ての生物が使える魔法である。


光属性、闇属性は特殊属性と呼ばれ、使い手がほとんど居ない魔法だ。


光属性の使い手は聖女や勇者、王族の一部しか使えない。


闇属性も同様で、魔族の一部しか使えない。


...魔族って...まーた知らない単語出てきたよ。


「いざべら、まぞくってなに?」

「魔族は私のような人族と比べ、体に大きな魔力を宿した人達のことを指します。全員銀髪で目が真っ赤な容姿をしているので一目見たら分かりますよ。」



イザベラはニコニコしながらそう答える。


この世界には魔族がいるのか...

世界征服を企んでるやついないのかな?


世界征服のことは頭の隅に追いやり本の続きを読む。



固有魔法とは8つの属性の中で1番特異で強力な魔法である。この魔法の使い手は、光属性や闇属性より珍しい。使い手は、両手の指で数えられるほどの数しか使い手がいない。


次のページから属性の特色について書かれている。


短くまとめると


火属性は破壊力が強い。

水属性は回復に特化している。

風属性は速さが強み。

土属性は応用がきく。

無属性は身体強力。

光属性はなんでも回復も戦いもこなせるオールラウンダー。

闇属性はデバフや影を使ったりなどトリッキー。

固有魔法は時間や空間を操るらしいが詳しいことは分からなかったみたいだ。



1000人に1人程、基本属性の適性が二つ以上持つ者がいる。


2つ以上の属性適性がある者は、自身の持っている属性を掛け合わせた魔法がつかえる。


例えば火属性と風属性を掛け合わせると、爆発魔法になる。


次に属性適正の判断方法だ。



魔力玉に魔力を込めて判断するらしい。魔力玉に魔力を込めると魔力玉が光る。その光の強さで魔力量が、光の色で自身の適正属性を判断する。


赤色が火属性。 青色が水属性。 緑色が風属性。 茶色が土属性。 黄色が光属性。 紫色が闇属性。 黒色が固有属性だ。 稀に無属性魔法が適正の人もいる。その場合は魔力玉が白色に光る。


「アレス様そろそろ夕飯の時間ですよ。」



えっ?もうそんなに時間が経ったのか。

ローレンの教え面白いな。時間がたつのが早い。



ふぅ...今日はここまでにするか。続きは明日見よ。


















































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