第3話
母さんが俺が声をだしただけで倒れた事件からしばらくたった時、俺は今、父さんにかかえられ部屋の中から出ようとしていた。なぜ倒れたかというと俺の声がこの世とは思えないほど可愛かったらしい。そんな事で倒れるのか...母さんの名前を呼んだら母さんが死んでしまいそうだ...
俺の声で倒れてから、母さんがさらに俺を溺愛するようになってしまった。俺が寝ている時にも、俺の部屋に入り、顔を舐めるようになってしまう。朝起きた時、顔がふやけていることにきずいた時はビビったね。鳥肌が止まらなかったよ。
俺の事を抱えてしまうと、すぐに顔を舐めてくるので、あの日から抱っこ係は父さんになった。
部屋を出るとまぁまぁ長い廊下に出る。
廊下にはメイドカフェにいるような、メイドではなく、中世のヨーロッパにいるメイドが着ているようなメイド服を着ている。コスプレ感はなくチャキッっと着こなしている。
へぇ、 メイドいたんだ
なんで俺の部屋に入らなかったんだ?
「うぅぁーぁ」
メイドの方に指をさして父さんに聞こうとする。
「ん?あぁ、彼女たちか、アレスは見たことがなかったか、彼女たちはこの屋敷で働いてくれている、メイドたちだ。サラがねアレスは絶対メイドからモテモテになるから部屋に入らせないようにしたんだ。」
「こらっ、アレスあんまり見ないのっ」
そう言い俺の顔を隠す
うぉぉー、本当にメイドなのか。
しばらく、屋敷の中を父さんの腕の中で見て回る。母さんはお腹の中の子供たちのために部屋で休んでいる。しばらくすると目の前からメイド服を着て、メガネが似合う黒い長髪の美人がこちらに向かってきた。
父さんがメガネ美人に声をかける。
「やぁイザベラ、この子が僕たちの息子のアレスだ」
「初めましてアレス様、アレス様の専属メイドのイザベラと申します」
そう言い、俺にお辞儀してくる。
「ほら、アレス専属メイドのイザベラだよ」
父さんが俺をイザベラに見せつける、イザベラは、近くにいる俺を見て「かっ、かわいぃ...」と小声でつぶやく。
「ふむ...アレスを抱っこしてみるかい?」
そう言い父さんは俺をイザベラに差し出す、
イザベラは、俺を震える手で持ち上げた。震える手で俺を持ち上げ俺の顔を見つめいると、突然泣き出した。
えっ?えっ?なんで俺のことでみんな泣くの?
また、えっ?しか言えない。美人に泣かれるとちょっとショックだから、なぜ泣いているか聞こうとして。イザベラに話しかけようとする。
「なんぇ?」
俺の声を聞いたイザベラが、俺を抱きながら、急にしゃがみこむ。
なんでぇ?
しゃがんでいたイザベラが立ち上がり、父さんに俺を返そうとする、父さんの方を見ると結構引いていた。そりゃ引くわ。
「アッ、アレス様をおっ、お返しします...」
お返ししますって言葉だけで、行動が伴ってないね。父さんも引いてるよ。
うん、俺の服がっちりつかんでるね。力つよ!
俺をイザベラから取り戻した父さんの体はもう満身創痍だ。イザベラ握力強すぎだろ。服3センチぐらい伸びた気がするぞ。
父さんの腕の中から窓の外を見ると、運動場のようなところが見えた。その運動場にたっている人達は、人間だけではなく。体から毛が生えた獣のような人に、背が小学生ぐらいしかない者、身長が2メートル以上ある巨漢、エルフのような者、母のような、鱗が生えた者など、多種多様の人物がいる。
あの集団はなんなのだろうか。また父さんに聞いてみるか。
「あうぁー」
多種多様な人物がいる集団に指をさす。
「あの人たちかい?あの人たちはね、この屋敷の警備を任せる人達だよ。」
へー、あの人たちがうちの屋敷の警備するのか。えっ?、てことは今までこの屋敷には警備する人がいなかったってことか?
おっ、あの人たち武器を構え始めた、今から訓練でもする気か?
今武器を構えているのは、俗に言う白髪褐色のダークエルフっぽい女性だ。ナイフを逆手で二刀流にして持っている。
ダークエルフの正面には、2メートル半ありそうな横にも縦にも大きい男性が拳を構えている。
狼男っぽいひとが審判をしている、狼男が腕を下げ、模擬戦が始まったと思った瞬間。
ダークエルフ女性が消えた。
はっ!? 全然見えねぇ!!
俺の動体視力は、ゲームで鍛えられているので。前世ではトップクラスの動体視力を誇っている自信がある。
その俺が全くといっていいほどみえなかった。巨漢を見ると、あのダークエルフが見えているのか拳を高速で振るっている。
巨漢が拳を振るう度に金属どうしがぶつかったような音がなり、火花が散っている。
なんだあれ... なんも見えねぇ...
ダークエルフの目に見えない動きもヤバいが、あの巨漢の拳の硬度もおかしい。
ダークエルフはナイフを使っていた、刃引きされていないものだ。それを素手で弾くってなんだそれ...
10分程だろうか、2人の戦いを見ていると、急に何かが砕けたような音がした。
すると2人は激しい戦いをやめる。
よく見ると、ダークエルフの得物のナイフが砕けていた。戦っていた2人は、あんなに激しい動きをしていたのに息を切らしている様子がない。
あんな戦い...アニメでしか見たことがない
あんな非現実的が戦いを目の当たりにした後から体が熱い、ゲームでしか反応しなかった最強欲がここで生まれ始めた。
あぁ、ゲームがない世界は退屈だと思ったが、こんな面白いことがあったのか!!人間をやめた動き!!! 武器を超える肉体!!!こんな非現実的なことが有り得るのかこの世界は!!
決めた、俺はこの世界で最強になる
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