天才だった。
「……こ、これはっ!?」
カモフラージュの為に様々な売買所でカードを売り払ったあと、俺とルミはハンターの才能を測定してくれるサービスを受けるべく、専門の病院にまで来た。
もちろん有料なのでカードを売ってからじゃないと来れなかったんだ。
測定の仕組みがどうなってるのか俺は知らないが、専用の機材で身体をスキャンすると分かるらしい。
その機材を動かすだけでも結構なお金が掛かるので、自腹で受けると十万くらい取られる。国家試験を受ける時でも五万くらい持ってかれる。
そして、大金を支払ってルミの測定を行った結果、凄まじい結果が弾き出された。
◇
固有ドロップ率測定結果。
Sランクドロップ:10%
Aランクドロップ:20%
Bランクドロップ:20%
Cランクドロップ:20%
Dランクドロップ:20%
Eランクドロップ:15%
Fランクドロップ:10%
◇
ランク別同時召喚能力限界測定結果。
Sランク:1
Aランク:2
Bランク:5
Cランク:10
Dランク:10
Eランク:10
Fランク:5
◇
間違いなく、世界最高のドロップ率だし、世界最強の同時召喚数だ。
ルミは天才どころじゃなく、大天才だった。完全なる選ばれし者。
最大ドロップ率20%なんて前代未聞だし、Sランクドロップが10%あるハンターなんて世界的にも数える程しか居なかったはず。
しかも同時召喚数さえ常人とは乖離した結果だ。Sランクを一匹呼べるだけで国家資格をパス出来る程なのに、Aを二匹、Bを五匹も呼べる。
この時点で既に世界最強クラスのハンターだ。なのに低ランクモンスターもC〜Eまで十匹ずつ呼べるし、Fも五匹呼べる。
あまりの結果に、医者が装置の故障を疑って三回ほど再測定された程だ。もちろん再測定分の代金は病院持ちだ。
「こ、これは凄まじい逸材ですよ!? も、もしかしてお兄さんも……!?」
「あ、いや……」
血縁者ならもしかしてって事で俺も検査された。いや俺の場合はもう国家試験受けた時に判明してんだよ。ドロップ率は下二つ見れなかったけど。
結果。
◇
固有ドロップ率測定結果。
Sランクドロップ:0.01%
Aランクドロップ:0.01%
Bランクドロップ:0.01%
Cランクドロップ:0.01%
Dランクドロップ:0.01%
Eランクドロップ:測定不能。
Fランクドロップ:測定不能。
◇
ランク別同時召喚能力限界測定結果。
Sランク:0
Aランク:0
Bランク:0
Cランク:0
Dランク:0
Eランク:測定不能。
Fランク:測定不能。
◇
「これはコレで興味深いデータですねッ!? どうなってるんですかアナタ達のDNA!? 測定不能とか久々に見ましたよ! て言うか召喚数測定不能ってどういう事!? こっちは初めて見ましたよ!? 理論上はゼロ以下でも測定不能とはならないはずなんですけど!?」
ルミとは逆に振り切ってる才能を見て医者が逆にはしゃいでた。血液サンプルをくれって言うので、今回の測定代全部病院持ちで、さらに情報はどこにも漏らさないって契約を条件に採血に応じた。
この情報が外に漏れたら、逆にルミの人生がめちゃくちゃにされる危険があるので医者には念押しした。
「お兄ちゃん、ルミはどうだった……?」
「凄かったぞ。世界で一番凄いハンターになれるはずさ」
「ほんとっ!? じゃぁ、ルミもお兄ちゃんのおてつだいできるっ!?」
お手伝いどころじゃない。将来は俺がルミにお世話される可能性すら出て来てしまった。
これは今のうちに稼がねば、兄としての威厳が無くなってしまうな。
…………しっかし、比べると酷い差だな。そりゃこんな測定結果見たら試験も落とされるわ。
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