第4話 均衡が保たれていた理由

北海道 リーダー 佐藤家

清(リーダー)「遂に加藤と小林、鈴木が動き始めたようだな。」

誠(息子)「はい。」

清「残念でならない。本当に残念でならない。」

誠「はい、私もそう思います。」

清「誠」

誠「はい、なんでしょうか。」

清「どうしてこれまでの勢力均衡が保たれていたか分かっているな?」

誠「はい。東京都御厨(みくりや)家の圧倒的な戦力とその技術力から来る抑止力。そして、、46道府県に設置した核爆弾神話があったからです。」

清「そうだ。御厨家の規格外の暴力的な抑止力あっての全国の平和だったのだ。」

誠「はい。一見すると暴力的ですが、結果的には、御厨家も穏やかな方々で、安息の時代が続いてました。」

清「それが、あの日を境に抑止力は無に帰した。」

誠「所属不明のハッカー集団『アベリア』による東京都へのハッキング攻撃により、核爆弾神話が偽りであることを世間に証明されてしまったこと。そしてこの事実が明らかになったことで、恐れ知らずになったどこにも所属しないテロ組織『ゴドヴィン』による御厨家主要メンバー暗殺事件で佐藤家のコントロール機能が一気に低下したこと。これが致命的でした。」

清「なぜ戦争は起きたと思う?」

誠「他の勢力の攻撃にあう前に自分たちが攻撃してやろうという考え方を持つ人間は、自ずとその道を進むのではないでしょうか。」

清「そうだ。人は基本的に臆病な生き物だ。一度心に芽生えてしまった不安な気持ちは、そんな簡単に拭えるものではないのだ。そしてそれが、多くの人間に影響力を与えることができる人物に生じてしまうと本当に厄介で取り返しがつかなくなる。」

誠「そうですね。本当に恐ろしいことです。」

清「今回の戦いで日本中部の勢力図が変化する。一度崩れた均衡は、そんなに簡単に収集されない。これから私たちも大変な目に合うぞ。心して準備していくように。」

誠「承知しました。」


日本列島47都道府県の均衡が崩された原因には、謎のハッカー集団『アベリア』と無政府主義テロ組織の『ゴドヴィン』が関係していた。一体彼らは何者なのか。今はどんな動きをしているのか。今後の列島の勢力図にどんな関わり方をしてくるのか。

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