第3話 静岡へ出陣

加藤家(山梨県)

拠点「南部町」にて


茂「この会議終了後、速やかに我々は、富士を陥落させる。我々が富士を攻めている最中、どこかのタイミングで鈴木家(神奈川県)もこの戦いにこちら側の陣営として参戦し、沼津までを制圧することになっている。沼津から富士の境は、あちらとこちらとの緩衝地帯となる。基本的な指揮権は、博に任せる。」

博「承知しました。」

直樹「小林家(長野県)は、つい先ほど森町周辺を制圧したとの一報が届いています。我々が富士より南下し、静岡市を抑え次第、袋井掛川一帯を制圧しに動く手筈を整えているようです。」

茂「了解した。我々が、富士、静岡を抑えれば、浜松に両家で同時打ちができる。渡辺家(静岡県)の主要軍のほとんどが現在、浜松市に集結中だ。静岡方面に援軍を出すならば、小林家が足止めをできるポジションにいる。」

優馬「とことん目の前の敵をなぎ払うことに集中できますね。」

直樹「鈴木家が予想外にこちらに侵攻して来る可能性もなくありません。念のため、富士に3割の兵を駐屯させて、静岡に攻め入る必要があります。」

茂「わかっている。それは前の会議でも話し合い、全会一致で決まった。」

博「結局、鈴木家も領土欲には、負けましたね。」

茂「さあ、油断せずに行くぞ」

全員「はい。」


加藤家の南部町での会議後数時間で、

予定通り富士を抑えることに成功。

鈴木家も作戦通り沼津までの一帯を制圧。

そこで侵攻を止めた。

加藤家は、静岡攻めを息つく時間も取らず、行なった。

特段の抵抗も受けぬまま着々と牧之原一帯まで軍を進めた。


小林家

拠点「森町」にて

孝「加藤家が先ほど静岡を陥落させ、現在焼津まで進めているとのことです。」

勉「さてさて、袋井周辺を制圧しに行きましょうか。」

正雄「まあ待て、彼らが牧之原に到着するまで待機するのだ。軍事力が全国的に平均以下だが、さすがに抵抗が弱すぎる。これは何か臭いぞ。」

律「確かに、これは浜松で一発かまして来るかもしれません。」

勉「直ぐに出発できる準備は、整っていますので。」

正雄「わかった。今しばらく待機せよ。」

勉「承知しました。」


ほとんど抵抗という抵抗にあっていない加藤、小林、鈴木家。

この不穏な状態に三家は、にわかに嫌な予感を感じていた。

静岡県の3分の2が制圧されている状態で、渡辺家からの兵隊の姿がほとんど見られない。浜松周辺に凝縮された軍隊が待ち伏せている可能性が高い。

こう想定するのは、誰もがすることだが、どうもそれだけの単純さを感じない。

果たして、これは考えすぎか。それともなにか別の...

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