第18話 めっちゃ怒ってるんだけど
『それじゃ午後5時半に〇〇駅来てくれ』
メールを閉じてそれまで何するか考える。まだ昼だしレイは佐々木先生にお洒落しようぜとか言って連れてかれた、厳ついバイクで。
先生とレイが仲良くなってくれるのは嬉しいんだがあの人普通に150キロ出すからなぁ、ちょっと可哀想。
「とりあえず少し寝るか」
◆
「とりあえず言い訳考えねえとな」
現在時刻6時。簡単に言えばほんの少しだけ遅刻したわけだ。西条からはもちろんどういうことか佐々木先生からも鬼のように電話がかかってきてる。
「しかしまぁ、30分で248件はやりすぎだろ」
落ち着くために歯磨きをしながらゆったりと言い訳を考える。電車の遅延なんて言い訳はすぐバレる。もちろん経験則で、だ。一旦顔洗って着替えるか。焦るな。遅刻ってのは焦ったらそりゃ遅刻だ。遅刻は余裕感を醸し出すことで誤魔化すもんだろう。
「すいません。お茶買ってました」
「あ?二時間もお茶買ってたのか?めでたい奴だなアタシにもくれよ」
「なんで佐々木先生が……。とりあえずその必要以上に鋭いペンをしまってください。ヒットマンですか?」
「レディ二人を待たせて二時間連絡無しで遅刻なんてさすがに呆れたわ。死んでちょうだい」
「さすがに言い過ぎじゃ?」
「さすがに遅れすぎじゃ?」
どうやら俺は終わったらしい。御二人の怒りはピークだ。たしかに遅れすぎたけど。
ちなみに何をしてたかって言うと2本だけアニメ見てた。たしかに俺が悪いけどこれだけは絶対に言わない。
「あれ?お兄ちゃん遅刻なの?私と一緒にアニメ見てたのに?」
「ほんとにすいません。御二人とも警察に通報しようとするのはやめてください。そもそも何罪ですか」
「死刑だな」「死刑よ」
なるほど、会話が成り立たないくらい怒ってるのか。
「……あれ?今普通にレイ俺に取り憑いて出なかったか?」
「……まじで言ってるのか語部、ずっと居ただろ」
「え、マジで?」
俺一人で来たよな?てかレイ家で待ってるとかいってなかったか?
「私お兄ちゃんに着いてきたよ」
「そうなのか」
「とりあえず早くだいひょーの所行こうよ」
「副代表な。あとだいひょーじゃなくてだいひょうな」
◆
「い、いやこの人数は私の部屋に入らないんだけど?」
早速困惑顔の如月を前に俺たち4人は如月の家の前まで来ていた。
「アポ無しで4人はおかしいでしょ。何考えてるの語部。先生も」
「アタシは流れで来ただけだ」
「なんですか流れって」
「私は語部に誘われてきたわ」
「あの西条さんが喋ってる!?」
「私はお兄ちゃんの後ろついてきた」
「うん。なんか触れないでおくよ」
「俺が来た」
「え、黙れよ」
あたり強。
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