第17話 クラスメイト探しは時間がかかる1
帰り道突如決まった疑似学校。レイの友達作り兼学校生活を満足にできてないかもという勝手な考えから提案したのだが──。
「人数が集まんねえぞ」
「……そうね。私たち友達居ないもんね」
「とりあえず先生役は佐々木先生一択だろ?」
「先に言っておくけど私に友人と言える人間は居ないわよ」
「……俺も片手で数えられる」
「お兄ちゃん達役立たず」
言い過ぎだろ、マジで。常人のメンタルなら即ブレイクだぞそれ。
「んー困ったわね。ここまで友達が居ないとは思わなかったわ」
「そうだな。とりあえずすごい嫌だが相澤でも呼ぶか?」
「私あの人やだ。平気で女殴ってそう」
「偏見がえぐい。割と良い奴だぞ。嫌いだけど」
「私も嫌だわ。ネクロフィリアとかしてそう」
「おい、絶対言うな思ってても。お前だけは常識あると思ってたんだけどな西条。あと絶対言うなそんな事まじで」
このままでは佐々木先生が常識枠になっちゃうぞ。
「じゃあ如月さんとかどうかしら」
「あーまあ、相澤よりはいいな」
「そうね。じゃあよろしく」
「え、俺が連絡するの?」
「そうでしょ?」
俺あいつの連絡先知らないんだけど。家は知ってるけど。いや、ストーカーとかじゃないよ?
小学生から知ってるからだから。小学生からずっと一緒ででも連絡先交換まで行かないくらいの距離感保ってただけだから。そりゃ小学生の頃は遊んだからその時たまたま家知っただけね。
「じゃあ頼むわね。私帰るから」
普通に帰ってった。緑茶片手に。あいつ味覚の振り幅広すぎだろ。最甘と最苦飲んでるわ。
◆
翌日、俺は西条にも役立たずと言われているところだった。
「それで、どう説明したらいいか分からずに連絡先も交換しないまま逃げ帰ってきたと?」
「はい、その通りです。だから今回は一緒に来てください西条さん」
あぁ、そうだよ。俺は如月の家に行ったはいいモノの何もせずに帰ったよ。だって高三が俺の妹は幽霊なんだ、とか言ったら通報もんだろ。まぁ、連絡先聞かなかったのはびびった。普通にあいつ覇王色の覇気出てたし。俺への警戒心高すぎたし。怖いどころの騒ぎじゃなかったし。
「はぁ、仕方ないわね。今から行くの?」
「いや、今はあいつ塾行ってるんじゃないか?」
「なんでそんな詳しいのよ」
「ずっと同じ塾通ってるからなあいつ」
「だから詳しいって」
「って誰か言ってた」
「いや無理があるわよ」
とりあえず午後6時に集合することにして解散した。ちなみに西条とは連絡先交換した。異性2人目。はは、泣けてくるぜ
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