第15話 ラブコンな俺ら

夏休み前最後の教室。例の火事での多少の活躍によって俺のクラスでの扱いは少しはマシになった。


「よっ、炎耐性のロリコンさん。やっぱり圧倒的未成年に手出してるだけあって炎上には強いんですね、なんつって」

「相澤、お前だけはマジで殺す」

「え〜、俺だけかよ。俺の妹にだけは手出すなよ〜」

うん、こいつはまじ殺そう。


相澤涼貴あいざわりょうき、中学からの仲だがいつもこんな感じだ。まあ、別に悪いやつじゃないから嫌いじゃねえけど。ただ、マジで殺す。


「うい〜黙れおまえら〜」

相変わらず佐々木先生は悪すぎる口調で登場する。ただ、俺には神様に見えて仕方がない。カッコよすぎる。好きっ。

「夏休みの宿題なんだけどさ、アタシ授業サボってたから全然進んでないんだわ。それやっといて、夏休み明けテストね」

相変わらず佐々木先生は理不尽なことばっかり言ってくる。悪魔に見えて仕方がない。

嫌いっ。

「んじゃ以上。めんどくさいからもう帰っていいよ。西条と語部だけ残っといて」

今までなら俺と西条と聞いて、なんだその異様な二人、とかザワザワしてただろうが火事の一件と最近ちょくちょく会話するのでみんなあーはいはいみたいな感じで見てくる。1人を除いて。


「おいおい、ラブコン(ラブラブコンビ)じゃん。良かったな語部」

「ほんとに黙れって相澤、まじで手が出そうだ。ラブコン(ラリアットブレイクコンボ)しそうだ」

「あんたらそれで通じるって相当仲良いわね」

呆れ顔の西条。あれからも少しレイと3人でコミュニケーションをとって分かったけど西条にも結構色んな表情があるんだよな。

「あっ、じゃあお邪魔虫はこれで」

やっぱりなんだかんだ相澤は空気の読める良い奴だ。


「よし、いるな二人とも」

「あ、佐々木先生。準備できてますよ」

きっとさぞかし褒められるんだろうな。ニコニコしてるし佐々木先生。

「職員室来い。説教だ」


「はぁ、なんでアタシにはレイちゃんのことしっかり教えてくれないんだよ」

「「……え?」」

俺と西条の声が一寸のズレも無く揃った。

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