閑話 心が壊れた感触
ハッキリ言って気のせいだと思う。思いたい。
最近外に出るとどんなに寒くても異様に汗が吹き出る。
他人の顔をあまり見れない、目線を合わせられない。
他人に貶されているような気がする。
仕事に行くのが死ぬほど辛く感じる。
この症状は聞き覚えがある、というよりも普段からその症状の人間を嫌と言う程相手にしている。
母親の事だ、私の母親は統合失調症だ。
その症状に極めて酷似している。
確かに家族に精神病の人間がいるとそうなりやすいらしいが、そりゃないぜ神様。
体は正直という言葉を卑猥なコンテンツ以外で使う日が来るとは思わなかった。
どんなに強がっていても、肉体は常人とは違う反応を返してくる。
昔からなのかもしれない。
以前から変わっているとは言われていた。
昔から妄想癖はあった、このような場所にいる人間だから。
普通の人は、他人が今自分にどのような事を考えているのか気にならないのだろうか。
クソ、こんなに他人の脳内を見てみたいと思ったのは久しぶりだ。
病院には行きたくない。
認めたくない、認められない、確定して欲しくない。
まともな人生を歩みたいというささやかな願いを、せめて一般人並みの幸せを掴みたいという夢を、こんなことで諦めたくない。
普通の家庭を知りたかった。
両親がいる生活というのを見てみたかった。
頼りになる父親が欲しかった。
母親に甘やかされたかった。
普通の、当たり前の家庭を夢見て何が悪いんだ。
親になれないなら子供なんか作るな。
頭では分かっている、まだ幸せな部類だと。
頭が混乱しているかもしれない、これ以上は辞めておく。
俺の人生はいつもこんなんばっかだ。
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