青年期3

あれから私は酷く無気力になってしまっていた。


最初はすぐに転職をしようと頑張ったが、スキルもない20代後半を雇う企業なんてものは存在しないし、私の諦め癖が出てしまった。


書類選考で落とされる度に「どうせ就職なんて出来っこない」と考え、その度に無気力になりただただ好きなことだけに夢中になった。

よくも悪くも趣味に殆ど金を使わないのも大きかった。

まあ、このサイトに書き込んでいる時点で察して貰えるかと思うが、私はこの手のサイトの小説をこよなく愛している。ハマりだしたのは中学二年の時にSSと言うものを読みはじめてからだったかな。


その類いを読むことが好きで、暇潰しも兼ねてこの場で自身の半生?を語らせて頂いてる訳だ。


話が逸れた。やはり、どうもその場の考えで書いてるから連想ゲームが起こってしまう。

そんなことをしているうちに気がつけば半年経っていた。


愕然とした。


言われるまで気が付かなかったというのと、余りにも早い時間の流れに。

よく社会人になると時間の流れが早く感じると子供の頃は言われていたが…、改めて実感した。

そこで少しばかり私は焦った。私はネット文化に浸かっていた人間だから空白期間と言うものがどれだけ大きいものなのか知っている。


そして、私はもう20代後半だ。

こうなるともはや行く先がかなり少ない。

嫌な焦りと冷や汗が止まらなかった。


転職サイトを読みあさり、現在でもオファーが来ていた会社に書類選考を送りまくった。

まあ、当然ながら半分以上は落とされた訳だが面接まで漕ぎ着けた企業もあった。


私は面接を行い、一番緩そうな企業を選んで入社することにした。

当然ながらsesだ、私にはそれ以外の選択肢が想像出来なかった。


しかし、現実は悲しい位に残酷だ。

スキルもない、空白期間の長かった私は本社待機を命じられそこで勉強することになった。

今までやったこともなければ聞いたこともないような分野の内容。運用監視じゃあ…ね、という上長からの嘲り。私は何もかもが嫌になったが、頑張って続けようと努力した。

何よりも辛いのは、前職の仲間まで馬鹿にされたような気持ちになることだった。確かに辞め方が辞め方なので、最後は嫌われたがそれでもあの人達は好きだった。


面白いエピソードが多く、話がとても面白いメチャクチャ怖い先輩。自分の教育担当だった物静かだが凄い気の合う先輩、ゲーム好きが高じてサークルでゲーム作ってる先輩。遅刻は良くするし暇されあれば寝ているがリアクションが良い後輩。

私の思い出を汚されたような気になるが、それが私個人が勝手に思ってる、被害妄想に近しいということも理解はしてる。


弱音になると思う。

戻りてえよ、あの場所に。

仕事内容は死ぬほど嫌いだし、夜勤も明け方死にそうなほど辛い、休憩に行けないなんて当たり前だし、なんのスキルも身に付かない。

それでも、人の暖かさがあった。

誰かの誕生日やクリスマスにケーキ買ってきたり、夜勤明けに皆でカラオケ行ったり。

時折、寝る前に泣いてしまいそうになる。

なんであの環境を捨てたのだろう。


後悔先に立たずとはこう言うことだろうな。

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