閑話 私の誇るべき友人
ここまで読んでくれた人がいればなんとなく疑問に思っただろう。
人生が変わるほどの友人とのエピソードが少ないと。
ケンのことだ。
私は彼には絶対に言わないがとても感謝と恩を感じている。
幼少期から読んでいただければ分かるが私は非常に人見知りをする性格だ。あとは友人を作ろうと思っても会話の引き出しが少なく、結局は聞き手に徹することが殆どだった。
そんなつまらないと言って差し支えない私に10年近く付き合ってくれる最高の親友だ。
初めて出会ったのは中学二年の時で、趣味が釣りと言うこと、クラス替えがあったばかりで人間関係が出来ていないのもあり私たちはすぐに仲良くなった。
基本的には、ケンが何かしらの情報をつかんでそれを元に二人で動くと言うことが多かった。
彼女が出来てからは少しばかり頻度は落ちたものの、それでも二人で釣りにばかり出掛けていた。
気恥ずかしいし、ホモみたいなことを言うが俺はお前と遊ぶのが好きだ。
例え姉がくたばろうがお前に釣りに誘われたらそっちを優先してしまうだろう。
初めて一緒にエビを釣った日、ナマズを噂だけ聞いて釣りに言った日、雷魚がいると聞いて自転車を三時間くらいこいで釣りにいったこともあったな。
思い出すだけで涙が出てくる、忘れられない。
俺の青春時代はお前と作り上げたんだ。
バカみてえに釣りざお担いでいるかも分からん魚を求めて、少ない小遣いで買ったカップ麺や水を二人で分けあって食ったりもしたな。
なあ、覚えているか?
私が自転車で転んで頭を強打して気絶したとき、助けてくれたことを。
行動することが殆どない私と対照的に行動力の塊みたいな奴だ、営業とか得意そうだ。
見てないとは思うが書いておきたい。
私は非常に感謝している。私が今後死ぬことがあれば私財を全て渡しても構わない。
私は恩を忘れたことはない。
凡愚の身ながら、せめてお前にだけは高潔でありたい。
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