幼少期2
ただ、幸せではあったんだ。
親父は希に釣りや虫取に付き合ってくれたし、母親はゲームを買ってくれた。今は無いんだっけな、ハローマック。
最も世間的にはあまり幸せではないと気が付かなかっただけでね。
親父と母はほぼ毎日のように殴り合いの喧嘩をしていたし、基本的に家には私と姉しかいない。飯を食おうにも近くにはコンビニは愚かスーパーすらない。自販機すらも補充は殆どされない。
そりゃ当然腹が減る。
冷蔵庫には親父の釣りエサのオキアミしかなかった。姉と腐ってるのか分からないパンを半分こして食べたっけな、覚えているか分からんが。
ある日、車に乗せられておじいちゃんとおばあちゃんに出会った。
父方の方だな。
テキ屋を営んでいるらしくお面屋を手伝わされたね、子供を連れた母親が同情からか良く買ってくれたよ。私には一円足りとも入らないんだがね。
それからかな、母親に無理矢理連れられて母方の実家に帰ることになった。
驚いたよ、旨そうな飯が出てくるしコンビニも近くにある。祖父母は私達を見て苦々しい顔をしていたがね。かなり痩せこけていたし仕方ないかな。
一応その頃は保育園に居た。
今でもそうなのだが私は凄く気が小さく、誰とも交流することがない子供だった。
無理もない、常に見ているのは喋ることすら難しい程不仲の両親だ。
そんな親の背中しか見ていないんだ。
そうなるだろうよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます