幼少期2

ただ、幸せではあったんだ。

親父は希に釣りや虫取に付き合ってくれたし、母親はゲームを買ってくれた。今は無いんだっけな、ハローマック。


最も世間的にはあまり幸せではないと気が付かなかっただけでね。


親父と母はほぼ毎日のように殴り合いの喧嘩をしていたし、基本的に家には私と姉しかいない。飯を食おうにも近くにはコンビニは愚かスーパーすらない。自販機すらも補充は殆どされない。


そりゃ当然腹が減る。


冷蔵庫には親父の釣りエサのオキアミしかなかった。姉と腐ってるのか分からないパンを半分こして食べたっけな、覚えているか分からんが。


ある日、車に乗せられておじいちゃんとおばあちゃんに出会った。


父方の方だな。

テキ屋を営んでいるらしくお面屋を手伝わされたね、子供を連れた母親が同情からか良く買ってくれたよ。私には一円足りとも入らないんだがね。


それからかな、母親に無理矢理連れられて母方の実家に帰ることになった。


驚いたよ、旨そうな飯が出てくるしコンビニも近くにある。祖父母は私達を見て苦々しい顔をしていたがね。かなり痩せこけていたし仕方ないかな。


一応その頃は保育園に居た。

今でもそうなのだが私は凄く気が小さく、誰とも交流することがない子供だった。


無理もない、常に見ているのは喋ることすら難しい程不仲の両親だ。


そんな親の背中しか見ていないんだ。


そうなるだろうよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る