いくじなし

草原に寝ころがっていました。

冷たい風が気持ちいい季節です。

隣に座る君は言いました。


「私の好きな人は死んだんだ」と。


いつの間にか空には星が光っています。


「笑顔が素敵な人だったの。

 でも、もう死んだんだ」


そう言うと、隣の君は涙を流しました。

僕はその涙を見ナイ振リをしました。

次々と涙は溢れていったのだけれど。


「直に私の一部も死んでしまうらしいの」


僕は黙って一等星を見つめています。


「その時は、きっと金木犀が散る頃だわ。」


そんなことを言われたから、

宇宙の果てが見えた気がしました。

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