【詩集】ノートの片隅に。

三丁目の望月

少女は床に寝転がる

嘘をつかれた、裏切られた。本当に最悪な一日だよね。だから今日はくたばったように床に寝転がる。明日がいつ来たって私には分からないだろうし、それを気にする義理もない。


床とぴったりくっつくと、冷たさがゆっくり広がって、飲み込まれて、絆されて、やがて床と同化する。善も悪も、前も後ろも分からなくなるくらいがちょうどいい。そしたら涙が流れることもないから。


もう少しこのままで、もう少しこのままで。そうやって境界線は無くなって行くのがリアルじゃん。ゆっくり溶けて無くなった頃に

「ご飯できたよー」

その一言でもとに戻れる。よかった。安心。


少女は立ち上がり、前を向いた。

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