第4回(今作に登場する、常用外だと知って個人的に意外だった漢字トップ5)

 「第3回」で書きましたが、私がルビを振る基準の一つに「常用漢字か否か」というものがあります。私はその基準を完璧に覚えているわけではないので(大抵の人がそうでしょうが)、一つのエピソードを書き上げる度に調べて適宜ルビを振っているのですが、その際に、こんな風に思ったりします。


 「これって、常用外なの?」と。


 なので、この場を借りて、『付かず離れずの幼馴染みは、絶交する。』(第1部まで)に登場する、「常用外だと知って個人的に意外だった漢字トップ5」を発表しようと思います。


 第5位:馴

 タイトルにも使われている漢字がまさかの常用外です。つまり、「おさなみ」は常用外の関係(?)ということになるのでしょうか。


 第4位:栗

 今作の主人公の一人・灯子の髪の色を表す際に使いましたが、これも常用外のようです。ちなみに、個人的には、「栗色くりいろ」は生まれつきの色、「茶色」は染めた色といったイメージがあります。


 第3位:瓜

 見た目がよく似ている「爪」は常用内ですが、こちらは常用外です。「栗」もそうでしたが、植物名は常用漢字に入り辛いのでしょうか? なお、今作では「瓜二うりふたつ」という表現で「瓜」という漢字を用いています(『1-4-3.好きじゃない』より)。


 第2位:叶

 第1部に登場する常用外の漢字を全て調べたところ、最も画数の少ないものが二つあり、そのうちの一つがこれでした(全5画)。別に画数で常用漢字が決まっているわけではないと思いますが、「そんな難しい漢字じゃないのに」と思うところがあります。「願いがかなう」というのは簡単に起こることではなく、だからこそ常用外になった……わけではなさそうですね。


 第1位:叩

 先程挙げた「第1部に登場する最も画数の少ない常用外の漢字」のうちのもう一つがこれです。こちらの方がより日常的な言葉と判断したので、「第1位」にしました。書けるかどうかは別として、小学校低学年くらいの子供が使っていても違和感が無いような気がします(『1-8-1.遊園地デート』より)。


 なお、常用漢字とは「一般の社会生活において現代の国語を書き表すための漢字使用の目安」(出典:平成22年11月30日内閣告示第2号)に過ぎず、「それ以外の漢字を使ってはいけない(ルビを振らなくてはならない)」と定められているわけではありませんが、やはり、「常用外」という事実を突き付けられると、不思議な気分になります。これまでに「常用漢字表」は何度か改正されているので、前述の漢字が常用漢字の仲間入りする日がそのうち来るかもしれませんね。


 以上で、第4回の月刊企画は終了です。来月末公開予定の「第5回」でまたお会いしましょう。


 DANDAKA

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